上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
98/224

1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 光により駆動する受容体チャネルとその構造変化 70フフォォトトススイイッッチチイイオオンンチチャャネネルルのの開開発発 フォトスイッチイオンチャネルの開発香香川川大大学学 医医学学部部 分分子子生生理理学学 香川大学 医学部 分子生理学オプトジェネティクス研究に広く利用されている。一方、これら天然由来チャネルは構造的改変が難しく、膜局在や イオン選択性に課題があることから、人工的な光応答性チャネルの開発が模索されている。本研究では、光異性化するアゾベンゼン誘導体を用いて、イオンチャネルに外部から光応答性を付与し、人工的な光駆動イオンチャネルを創製 することを目的とした。さらにアゾベンゼン誘導体を物差しとしてチャネル開閉過程の構造変化を計測・理解し、機能分子の設計を目論む。 【【方方法法】】電位依存性チャネルや受容体チャネルの複数の部位に立体構造情報を基にシステインを導入した変異体を作製し、アゾベンゼンジマレイミドにより部位特異的に架橋を行った。作製した変異体はアフリカツメガエル卵母細胞に 発現させ、UV 光および青色可視光の照射下で二本刺電位固定法を用いてイオン電流の変化を測定した。さらに、 アゾベンゼンの光異性化による距離変化と変異導入位置に基づいて、チャネルの開閉に関わる構造変化を計測した。光応答が得られた変異体に対しては、サブユニットとの会合維持などの機能解析も行った。 【【結結果果】】一部の受容体チャネルの変異体において、光照射に応答してイオンチャネルの開閉が生じることが確認された。特にアゾベンゼンのシス-トランス異性化に伴う距離変化がチャネルの構造変化に反映され、光によって選択的に開閉が誘導された。さらに、得られた Cys 変異体の位置情報とアゾベンゼンの長さに基づき、分子内構造変化ならびにサブユニット配位について検討を行った。これらの一連の評価により、チャネルの開状態・閉状態を反映した構造モデルの作成に成功した。結果は学術大会にて発表し紀要として出版された。 【【考考察察】】本研究により、分子構造に基づいた光制御チャネルの設計が有効であることが示された。既存の光駆動 チャネルでは達成困難であった特異的イオン透過の維持が可能となった点は重要である。今後は、K+、Na+、Cl- チャネルなど他の電位依存性チャネル群への応用展開が期待される。また、得られたチャネルは光異性化分子のサイズに依存して発揮される機能が異なり、それを利用してチャネルの開閉構造変化を理解することができた。本研究による知見は、光・磁気・熱など多様な刺激に応答する分子設計への発展が見込まれ、融合研究の起点となりうる。 【【発発表表】】 1) 2024 年 3 月 第 101 回日本生理学会大会、シンポジウム発表:藤原祐一郎「受容体チャネルの光駆動化と構造 変化の計測」 2) Yuichiro Fujiwara, Maiko Hirano, Kazuyo Kamitori. Creation of Light-Driven Receptor Channels and Measurement of Structural Changes. 2024;70(Supplemet1):S35-S35 The Journal of Physiological Sciences 現在の所属:広島大学 医系科学研究科 生理学及び生物物理学 現在の所属:広島大学 大学院医系科学研究科 生理学及び生物物理学70藤藤原原 祐祐一一郎郎 藤原 祐一郎【【背背景景・・目目的的】】近年、藻類由来のチャネルロドプシンに代表される光駆動性チャネルが、神経回路機能を光で操作する

元のページ  ../index.html#98

このブックを見る