上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 微小炎症関連因子 A の実測結果 64量量子子--免免疫疫のの融融合合にによよるる微微小小炎炎症症超超高高感感度度検検出出法法のの開開発発 量子ー免疫の融合による微小炎症超高感度検出法の開発量量子子科科学学技技術術研研究究開開発発機機構構 量量子子生生命命科科学学研研究究所所 量量子子免免疫疫学学チチーームム 量子科学技術研究開発機構 量子生命科学研究所 量子免疫学チーム実施することで既存の発色 ELISA 法の約 240 倍程度の検出限界(フェムトグラムレベル)を達成した(図)。本方法論に関しては現在知財化の手続きを実施中である。②では、1 検体で複数因子を測定可能な検出系の構築を試みた。 ディスペンサーを用いたスポッティングは可能であることが分かったが、そのスポッティングは極微量(数μl~10 μl)であることから、反応中に著しい蒸発が認められた。したがって現在は、蒸発による反応系への影響を最小限に するため、モイスチャーチャンバーの構築を実施中である。③では、関節リウマチモデルマウスあるいは患者由来の 血漿を用いて微小炎症関連因子 A の測定を実施した。関節リウマチモデルでは微小炎症関連因子 A を経時的に測定、微小炎症関連因子 A の濃度はその臨床スコアと同様の動きを認めた。また臨床サンプルを用いた検討では、既存のELISA 法では測定不可能であったサンプルが、ND法で測定可能であることが分かった(未発表)。 【【考考察察】】本研究課題にて既存法の検出限界を遥かに上回る検出系が確立された。またモイスチャーチャンバーの開発が確立できればスポッティングによるマルチプレックス化も可能になる。さらに標準品よりも狭雑物が極めて多いマウス、あるいはヒトの検体でも測定が可能であること、またこれまで「見えなかったもの」が ND 法では測定可能であることが分かった。特にマウス血漿を用いた検討では微小炎症関連因子 A 濃度の挙動がその臨床スコアの程度を反映して いたことからも、ND 法での測定は生体由来の微小炎症関連因子濃度を正しく反映している可能性が高い。今後は、 様々な微小炎症関連因子の測定を可能にすること、また治療前後のヒト検体の測定を実施し、ND 法の確からしさを さらに検証していく。 64田田中中 勇勇希希 田中 勇希【【背背景景】】これまでに我々は非免疫細胞にて生じる慢性炎症誘導機構の一つ「IL-6 アンプ」を世界に先駆けて報告して きた。具体的には血管内皮細胞、滑膜細胞、軟骨細胞などの非免疫細胞で NF-κB および STAT3 の同時活性化が 生じることで炎症のループが形成され、当該細胞から IL-6 をはじめとした炎症生サイトカインやケモカインが大量に産生されることで慢性炎症を誘導する機構であった。当該機構は「病気の芽」を形成する「微小炎症」であり活性化 した自己反応性 T 細胞を含む各種免疫細胞が局所血管に生じた侵入口(血管ゲート)から臓器・組織に浸潤することで生じる。この微小炎症は「未病状態」を形成するものであるが、日常生活の中で微小炎症を早期に発見・除去し慢性 炎症病態を予防する技術は未だない。本研究では既存の免疫学的な手法である ELISA 法に異分野である量子 センシング技術を融合し超高感度かつ多種検出を可能とする新たな検出技術(ND 法)の開発を目的とした。 【【方方法法】】本研究提案達成のために① 微小炎症関連因子の超高感度検出系の確立、② 1 サンプルでの多種検出系の確立、③ 臨床検体を用いた測定、以上 3 つの項目を実施した。 【【結結果果】】はじめに①では、微小炎症関連因子 A を標的とし、従来の発色 ELISA 法の検出限界を 100 倍以上超える検出系の構築を目指した。具体的にはサンプル作製方法、抗体-量子センサの修飾方法、さらに抗原抗体反応の強化などを

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