1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図 1.Photoswicth を用いた光刺激人工視覚システムの原理 62光光薬薬理理学学的的手手法法をを用用いいたた失失明明者者のの視視覚覚再再生生技技術術のの開開発発 光薬理学的手法を用いた失明者の視覚再生技術の開発九九州州大大学学 大大学学院院医医学学研研究究院院 保保健健学学部部門門 検検査査技技術術科科学学分分野野 九州大学 大学院医学研究院 保健学部門 検査技術科学分野応用されている。人工網膜の適応となる疾患は加齢黄斑変性、網膜色素変性といった光を神経信号に変換する視細胞が障害される疾患である。原理的な制約に基づく再生視覚の質の問題から、健常者と同等の視力を再生させるには至っていない。本研究では、残存網膜神経系に光感受性を可逆的に付与する薬理学的神経刺激法を用い、有効な治療法が存在しない失明疾患に対し健常者に比類する視覚を光刺激により再生する技術の提供を目指す(図 1)。薬理学的神経刺激法は Photoswitch とも呼ばれ、光感受性のない神経細胞のイオンチャネルに Photoactive molecule を作用させる手法である。Photoactive molecule に光を照射すると分子の立体構造が変化し、結合したイオンチャネルを強制的に開閉 させ神経興奮を惹起させる。 【【方方法法】】Photoactive molecule のうち BENAQ、DENAQ の合成について合成・分取条件の見直しを行った。培養神経細胞 NG108 -15 を用い Optical nerve stimulation の有効性・安全性の検証を行った。NG108 -15 細胞を Multielectrode array(MEA)上に播種し、LED パルス照明を用い、神経応答の取得を試みた。 【【結結果果】】Photoactive molecule の前駆体である、トリエチルグリシンの合成において残留塩化物イオンをイオン交換 にて除去する工程を見直し精製効率の向上を達成した。また、Aminoazobenzen 4 とトリエチルグリシンを禁水条件下で結合させる際に触媒に用いる N,N -ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の脱水処理の方法を見直し効率化を 行った。従前に比し、Photoactive molecule の合成について効率化が達成できた。培養神経細胞 NG108 -15 を用いた光刺激応答実験においては、光刺激により神経発火頻度が増す傾向はみられたが、統計的有意差は確認できなかった。Photoactive molecule は神経細胞膜の内側から作用する。そのため、細胞内に十分量の Photoactive molecule が透過 される必要がある。変性網膜においては過剰に発現している非選択的イオンチャネルである HCN チャネルを通して 神経細胞内に透過するという説が言われているが、健常細胞を用いた実験では薬剤の透過性に課題を残した。遊離網膜を用いた神経応答計測に、これまで Fluo -4 などの可視励起のカルシウムインジケーターを用いてきたが、これまで 健常網膜においては励起光が光刺激になり光刺激応答との分離が困難であった。そこで紫外線を励起光に使う Indo -1を用いた観察系の開発を行った。Indo -1 は 1 波長励起、2 波長蛍光のカルシウムインジケーターのため、 レシオメトリックイメージングが必要となる。スプリット光学系を用い蛍光応答を二波長に分離し、レシオ イメージングを取得できる系を開発した。これにより可視光励起を用いず、紫外線励起により網膜神経応答の記録が 可能になった。健常遊離網膜を用いた光神経刺激実験が容易に行えるようになり、今後の研究の発展に寄与する。 62田田代代 洋洋行行 田代 洋行【【目目的的】】疾病により喪失した視覚を人工デバイスによって再生させる人工視覚システム(人工網膜)による治療が臨床
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