1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図 1.肝がんの成因別にみた癌免疫関連遺伝子の変化 52肝肝ががんんのの免免疫疫微微小小環環境境解解析析とと革革新新的的なな治治療療応応答答性性のの予予測測 肝がんの免疫微小環境解析と革新的な治療応答性の予測九九州州ががんんセセンンタターー 肝肝胆胆膵膵外外科科 九州がんセンター 肝胆膵外科を評価することで、発がん機序の解明および免疫治療応答性の予測への応用を目的とした。本研究により、病因ごとに異なる癌免疫微小環境の変化と、普遍的に存在する遺伝子異常を同定することで、革新的な肝がんの予防や新規分子 標的治療法の開発につながることが期待される。 【【方方法法】】(1)サンプリング:原発性肝細胞がんに対して肝切除術を受けた 23 人の患者から、腫瘍および対応する 非腫瘍性肝サンプルを採取した。採取された臨床検体には、HCV 感染後にウイルス学的著効を得た SVR(sustained virological response)患者 13 人と、非ウイルス性成因(non-B non-C)の患者 10 人が含まれていた。さらに、転移性肝癌または肝内胆管癌に対して肝切除術を受けた患者 10 人から、正常(非腫瘍性)肝組織サンプルを得た。これらのサンプルは、肝炎、脂肪性肝疾患、その他の慢性肝疾患を有さない患者から選定した。本研究のアッセイには新鮮凍結臨床検体のみを使用した。切除標本では、壊死や線維化が少なく、生存腫瘍細胞が多い部分を病理組織学的に確認し、核酸抽出に供した。(2)RNA シークエンス:RNA シークエンス(RNA-seq)解析のためのライブラリー調製には 100 ng の全 RNA を用い、12 サイクルの PCR 増幅を行った。シークエンスには Illumina HiSeq 2500 を使用し、 高出力モードで 101 サイクルのシングルエンドリードにより実施した。(3)メチル化シークエンス:標的メチローム 解析(ターゲットメチロームシークエンシング)のためのライブラリー調製は、post-bisulfite adaptor tagging(PBAT)法に基づいて実施した。最小限のサイクル(4サイクル)のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅した後、HiSeq 2500を用いて 101 サイクルのシングルエンドリードでラピッドランモードにて解析を行った。(4)免疫関連遺伝子解析: パスウェイ解析は、統計ソフト R および R パッケージ「clusterProfiler」を用いて実施した。HCV-SVR 群および non-B non-C 群において発現変動がみられた遺伝子のうち、癌免疫に関連する遺伝子を Public Database(Oncoimmunology, 2021;10(1):e1944553)から抽出し、以下の解析に供した。 【【結結果果】】(1)肝がんにおけるエピゲノム依存的発現差遺伝子の同定:メチル化変化の 5kb 以内に位置する遺伝子を関連遺伝子と定義し、エピゲノム変化とトランスクリプトーム解析を統合することで、その制御がエピゲノム変化により 直接的または間接的に影響を受けている可能性のある遺伝子を同定した。メチロームおよび RNA シークエンシングにより同定されたメチル化領域(DMR)および発現変動遺伝子(DEG)について、SVR 群および non-B non-C 群の 腫瘍部と非腫瘍部それぞれで解析を行った。その結果、DMR と DEG の両方で変化を示した遺伝子のうち、高発現 DEGが 228 遺伝子、低発現 DEG が 264 遺伝子同定された。 (2)Cancer Immunology Database による解析:メチル化状態と遺伝子発現を統合的に解析することで、これらのDEG から癌免疫に関連する遺伝子を絞り込んだ(図 1)。今後は、これらの遺伝子の発現変化が癌免疫微小環境の変容にどのような影響を与えるかについて、機能解析を進めていく予定である。 52杉杉町町 圭圭史史 杉町 圭史【【目目的的】】本研究では、肝がんの成因別にゲノム・エピゲノムの層別化統合解析と癌微小環境の研究を行い、免疫活動性
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