1PHSky??1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) HDMHDMFcRγ sPPリ ン 酸化NF-κBHDMHDMHDMHDMHDMHDMHDMHDMHDMHDMFcRγ脱リ ン 酸化炎症反応NF-κBアレ ルギー発症上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 【【背背景景・・目目的的】】ダニ由来ハウスダスト(ダニアレルゲン、HDM)は、慢性的な喘息やアレルギー性鼻炎など呼吸系 疾患の主な要因であり、世界中で蔓延化が問題となっている。HDM が免疫系の樹状細胞によって感知されると、転写因子 NF-κB が活性化される。過度に活性化されると、過剰な免疫応答が誘導され、アレルギー反応が引き起こされる。現在、開発・実用化されている喘息の治療薬は、症状の緩和が目的とされているが、効果に個人差があるなど課題も 多く、新たな治療薬の開発が望まれている。 図 1.ダニアレルゲン(HDM)によるアレルギー応答モデル 46細細胞胞表表層層レレククチチンンにによよるるダダニニアアレレルルゲゲンン分分子子認認識識のの解解明明 細胞表層レクチンによるダニアレルゲン分子認識の解明東東北北大大学学 多多元元物物質質科科学学研研究究所所 生生体体分分子子構構造造研研究究分分野野 東北大学 多元物質科学研究所 生体分子構造研究分野近年、HDM の受容体として、細胞表層で機能する C タイプレクチン Dectin-1 が同定され、Dectin-1 は HDM と 相互作用することで、NF-κB カスケードを活性化することが分かってきた(図 1 左)。一方、別のレクチンであるERGIC-53 は、HDM を感知すると、NF-κB の調節因子 FcRγと SHP1 とで複合体を形成し、NF-κB の活性化を 抑制することが報告された(図 1 右)。しかし、これら細胞表層レクチンが、どのように HDM を認識し、細胞内に シグナルを伝達するかは全く分かっていない。そこで本研究では、細胞表層局在の ERGIC-53 や C タイプレクチンDectin-1 と HDM との複合体やシグナル因子との複合体の立体構造をクライオ電子顕微鏡単粒子解析によって決定し、HDM の分子認識やシグナル伝達機構の構造基盤を明らかにすることを目指した。 【【方方法法、、結結果果】】ヒト由来 ERGIC-53 について、HEK293T 細胞を使った高発現の安定発現株を構築し、 アフィニティークロマトグラフィーおよびゲルろ過クロマトグラフィーによって、高純度の精製サンプルを調製した。HDM との相互作用を調べるため、ダニアレルギーの主要なアレルゲンの一つであるヤケヒョウヒダニ由来 Der p1 について、天然の糖鎖修飾を有する精製 Der p1 を Citeq 社から購入した。精製 ERGIC-53 と Der p1 を 1:1~10 の モル比で混合し、トリプトファン残基の蛍光シグナルを利用した蛍光ゲルろ過クロマトグラフィー(FSEC)によって、ERGIC-53 と Der p1 との相互作用を解析した。pH やカルシウム濃度、ERGIC-53 の補助因子 MCFD2 の有無など様々な条件下において相互作用解析を行ったが、可溶化した ERGIC-53 と Der p1 との安定な複合体は確認できず、 両者の相互作用が過渡的で弱いことが示唆された。現在、架橋剤を利用し ERGIC-53-Der p1 複合体を安定化させる 方法や、膜小胞に埋め込んだ ERGIC-53 と Der p1 の相互作用解析を進めており、安定な複合体が得られ次第、 クライオ電子顕微鏡による構造解析によって、両者の相互作用様式を明らかにする。 一方、もう一つの受容体である Dectin-1 については、蛍光タンパク質の一つである StayGold との融合タンパク質を設計し、StayGold の蛍光シグナルを利用した FSEC 解析によって、発現条件および界面活性剤のスクリーニングを行った。FSEC の結果、Dectin-1 は複数のオリゴマー状態を取ることが示唆される結果が得られた。現在、各 オリゴマー状態の精製サンプルを調製し、クライオ電子顕微鏡による構造解析を進めている。 現在の所属:九州大学 生体防御医学研究所 トランススケール構造生命科学分野 現在の所属:九州大学 生体防御医学研究所 トランススケール構造生命科学分野46渡渡部部 聡聡 渡部 聡Dec n-1Cタ イ プレ ク チン抑制受容体ERGIC-53活性化受容体
元のページ ../index.html#74