1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) Ribosome heterogeneity と解析手法のまとめ 42組組織織間間「「RRiibboossoommee hheetteerrooggeenneeiittyy」」のの解解析析 組織間「Ribosome heterogeneity」の解析名名古古屋屋大大学学 大大学学院院理理学学研研究究科科 理理学学専専攻攻 生生命命理理学学講講座座 名古屋大学 大学院理学研究科 理学専攻 生命理学講座 分子発現制御学グループ 松本 有樹修により、リボソームの構成要素や修飾状態の違いによって翻訳動態が特異的に変化する「Ribosome heterogeneity」 という新たな概念が提唱されている。我々はこの「Ribosome heterogeneity」が組織間においても存在するのではないかと考え、実際に横紋筋特異的に発現しているリボソームサブユニットである RPL3L が Myo-ribosome を形成し、 これが心筋の収縮に関与するタンパク質の効率的な産生に重要であることや、RPL3L が拡張型心筋症の発症に寄与 している可能性があることなどを明らかにした [Shiraishi C. et al., Nat. Commun., 2023]。翻訳の過程では、 40S リボソームと翻訳開始因子で構成される走査リボソームが mRNA 上を進んで翻訳開始点をスキャニングし、 翻訳開始点に到達すると 60S リボソームが結合して 80S リボソーム(翻訳リボソーム)となることで、タンパク質を合成していく。RPL3L はリボソームを構成するコアサブユニットであるが、翻訳が円滑に進むよう補助する リボソーム結合タンパク質(アクセサリーサブユニット)も多数存在している。本研究では、走査リボソームや 翻訳リボソームに対する、組織特異的なアクセサリーサブユニットのスクリーニングを行い、組織特異的アクセサリーサブユニットの機能を解析することにより、組織特異的な翻訳制御の機構の解明とその生理的意義を明らかにしていく。 【【方方法法とと結結果果】】走査リボソームのアクセサリーサブユニットの解析は技術的に困難であったが、われわれは走査 リボソーム(翻訳リボソームも解析可能)に結合するタンパク質(アクセサリーサブユニット)を網羅的に同定する Sel-TCP-MS 法を開発した [Kito Y. et al., EMBO J., 2023]。この手法はヒト培養細胞株を用いた手法であったために、Sel-TCP-MS をマウスに適用するために、翻訳開始因子である eIF3D に V5 タグをノックインしたマウス (走査リボソームの精製)と、RPL3 に HA タグをノックインしたマウス(翻訳リボソームを精製)を作製し、これらマウスの脳、肝臓、精巣を用いて Sel-TCP-MS を行い、走査リボソームと翻訳リボソームに組織特異的なアクセサリーサブユニットを同定した。例えば精子のアクセサリーサブユニットとして、タンパク質 X が同定された。 タンパク質 X は走査リボソームと翻訳リボソームの両方に結合していた。 【【考考察察】】タンパク質 X ノックアウトマウスは不妊になることが知られているが、その分子機構は不明であった。 しかし、われわれの結果からタンパク質 X はリボソームにアクセサリーサブユニットとして翻訳の調節に寄与する 可能性が示唆された。タンパク質 X の解析から、新たな翻訳調節機構の理解と、将来的には不妊治療などへの応用が 期待される。 42松松本本 有有樹樹修修 【【目目的的】】従来、リボソームは均一な構成を持ち、すべての細胞で同一の機能を果たすと考えられていたが、近年の研究
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