上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 脳境界マクロファージにおける脂質プロファイルのライフステージ依存的な変遷 39脳脳境境界界細細胞胞をを標標的的ととししたた疾疾患患メメカカニニズズムムのの統統合合的的理理解解 脳境界細胞を標的とした疾患メカニズムの統合的理解九九州州大大学学 生生体体防防御御医医学学研研究究所所 分分子子神神経経免免疫疫学学分分野野 九州大学 生体防御医学研究所 分子神経免疫学分野【【背背景景やや目目的的】】脳の形成維持メカニズムや中枢神経系疾患を標的とした研究は、神経を含む脳実質細胞を標的にした ものばかりで、脳実質と末梢を機能的に繋ぐハブ組織である脳の周囲を覆う髄膜や血管周囲スペースなどの脳境界領域を標的とした研究はほとんど進んでおらず、脳境界構成細胞群の生理学的・病態生理学的な細胞特性や役割に加え、 如何にして脳境界構成細胞が脳実質細胞の機能変容を誘導するのかについては、ほとんど分かっていない。本研究では、トランスクリプトーム解析やリピドーム解析といったマルチオミクス解析などの最新技術を用いて、 脳境界構成細胞群の網羅的統合プロファイリングおよび高次ネットワーク機能解析を行い、脳境界構成細胞群に関する 基礎的データベースの創出を目指した。 【【方方法法】】脳境界を構成する細胞群の細胞特性や役割の理解をするべく、正常マウスの各ライフステージ (胎生期・幼少期・成体)における脳境界構成細胞および脳実質細胞を標的とした RNA-seq 解析および リピドーム解析などの高深度マルチオミクス解析を行った。 【【結結果果】】各ライフステージにおける脳境界マクロファージやアストロサイトなどの脳境界構成細胞や、ミクログリア やオリゴデンドロサイトといった脳実質細胞を標的とした RNA-seq 解析およびリピドーム解析による網羅的統合 プロファイリングを進めた結果、脳境界マクロファージを含む各細胞種に特徴的な脂質パターンが存在することが 明らかになり、またそれらはライフステージに依存して変化することも明らかになった。さらに、細胞種ごとに異なる脂質クラスを保有し、さらに各脂質クラスを構成する脂質分子種は更に多様で、各細胞特有の脂質分子種が存在する ことが明らかになった。 【【発発表表】】 1) 2024 年 6 月 Keystone Symposia: Neuroimmune Interactions: Nervous System and Immune Cell Heterogeneity in Health and Disease、招待講演 2) 2024 年 9 月 NeuroMac: the 2nd International Symposium on Neuroimmunology、招待講演 3) 2025 年 3 月 Gordon Research Conference: Glial Biology-Functional interactions among glia and neurons、 招待講演 4) Kudo M, Yamamoto S, Hiraga S, Masuda T. Understanding stress-induced transmission of peripherally derived factors into the brain and responses in non-neuronal cells. J Neurochem 2025, 169(1):e16262. doi: 10.1111/jnc.16262 5) Yamasaki A, Imanishi I, Tanaka K, Ohkawa Y, Tsuda M, Masuda T. IRF8 and MAFB drive distinct transcriptional machineries in different resident macrophages of the central nervous system. Commun Biol. 2024, 7(1):896, doi: 10.1038/s42003-024-06607-6. 増増田田 隆隆博博 増田 隆博39

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