上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 34ゲゲノノムム編編集集治治療療にに有有効効なな次次世世代代人人工工ヌヌククレレアアーーゼゼのの開開発発 ゲノム編集治療に有効な次世代人工ヌクレアーゼの開発大大阪阪大大学学 大大学学院院基基礎礎工工学学研研究究科科 物物質質創創成成専専攻攻 化化学学工工学学領領域域 大阪大学 大学院基礎工学研究科 物質創成専攻 化学工学領域近年、標的ゲノム配列を迅速かつ高精度に改変できる「ゲノム編集技術」の登場は、生命科学分野に革命的な進展をもたらしている。中でも CRISPR-Cas9 システムは、設計の容易なガイド RNA を用いて標的 DNA を切断する RNA誘導型ヌクレアーゼであり、基礎研究において不可欠な技術となった。加えて、疾患関連遺伝子の改変による根治療法の可能性が示されるなど、医療応用も急速に拡大している。 しかしながら、CRISPR-Cas9 の基本特許は欧米機関により管理されており、実用化にあたっては高額なライセンス料が発生するなど、産業・医療分野での導入には依然として高い障壁が存在する。そこで本研究では、「RNA により 標的核酸を誘導する」という概念を基盤に、既存の CRISPR 系に依存しない新規 RNA 誘導型機能タンパク質の創出を試みた。 本研究では、生理条件下でも高収率かつ選択的に進行する化学反応であるクリックケミストリーを応用した。具体的には、Dibenzocyclooctyne(DBCO)で修飾したガイド RNA(DBCO-RNA)と、アジド基を導入した GFP タンパク質とを Click 反応により共有結合させることで、RNA 誘導型 GFP(RNA-guided GFP:RGG)を作製した。 この RGG を生細胞内に導入したところ、ガイド RNA と相補的な標的 RNA 配列に特異的に結合し、その局在をGFP 蛍光によりライブイメージングすることに成功した。これは、RNA とタンパク質を化学的に連結することで、 タンパク質を細胞内の標的核酸に誘導できることを実証した成果であり、新たな分子ツールとしての可能性を示すものである。 本研究で確立した基盤技術を応用することで、将来的には標的 DNA 配列を特異的に認識・切断可能な次世代型人工ヌクレアーゼの開発が期待される。既存技術の特許的制約を回避しつつ、より柔軟かつ汎用性の高いゲノム編集手法の創出を目指し、今後も研究を継続する予定である。 【【発発表表】】 1) 2024 年 6 月 第 25 回日本 RNA 学会、口頭発表 2) 2024 年 7 月 日本核酸医薬学会第 9 回年会、口頭発表 3) Nakamura J, Shiraishi M, Yamamoto J, Suzuki K. Development of Programmable RNA imaging with RNA-Guided GFP via Click Chemistry. Nucleic Acids Res. In press 34上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 新規 RNA 誘導型機能タンパク質の創出 鈴鈴木木 啓啓一一郎郎 鈴木 啓一郎

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