上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 24心心臓臓再再生生能能のの生生後後変変化化をを制制御御すするる分分子子機機構構ととそそのの操操作作 心臓再生能の生後変化を制御する分子機構とその操作国国立立循循環環器器病病研研究究セセンンタターー研研究究所所 先先進進医医工工学学部部門門 心心臓臓再再生生制制御御部部 国立循環器病研究センター研究所 先進医工学部門 心臓再生制御部近年の研究により、魚類や両生類で見られる心筋細胞の自己増殖を介した再生機構は、生後数日のマウス・ラット・ブタの心臓においても保存されていることが明らかにされている。さらにはヒト新生児の心臓においても、損傷後に 心筋細胞が増殖し、それが心機能の回復につながったこと示唆する結果が報告されている。哺乳類において、 このような内在性の心筋再生能は成長に伴い急速に減退するため、成体において損傷後の心機能の回復に貢献することはない。しかし、放射性同位体を用いた精密な計測から、心筋細胞の増殖能は低レベルながら維持され、心臓の恒常性維持に働いており、一生を通じてヒト心臓の約半数の心筋細胞が入れ替わると試算されている。現在、この内在性の 心筋再生制御機構を理解し、操作することで自己の心筋細胞を標的とする新たな心臓再生療法の開発が期待されており、本研究ではその一助となるべく、マウス心臓において心筋再生能の生後変化に関わる核内制御因子の機能解析に 取り組んだ。 心筋再生能の生後変化を制御する分子機構の候補として、ゼブラフィッシュの再生心臓で発現が上昇する因子として同定した新規核内制御因子(仮称:Bnd 因子)に着目した。マウス心臓を用いた組織学的解析の結果、Bnd 因子は再生可能な新生仔の心筋細胞に強く発現し、成長とともにその発現が急速に減弱することが明らかとなった。この結果を 踏まえ、Bnd 因子の発現を成体心臓で操作するため、Cre-loxP 組換えと Tet トランスアクチベーター応答配列が 組み込まれた TIGRE 遺伝子座を利用し、心筋細胞特異的かつ強力に一過性発現を誘導できるトランスジェニック マウスを作製した。現在、複数の系統の生殖系列の移行を確認中である。また、Bnd 因子のファミリー分子についても発現解析を行い、同様の発現パターンを示した因子についてもトランスジェニックマウスの作製を進めている。Bnd 因子の心筋特異的ノックアウト系統の解析も進め、心筋特異的ノックアウトは致死性の表現型を示さないものの、出生後の心臓に軽度な形態異常を生じる個体が観察されたため、さらに個体数を増やした解析を実施中である。同様に、 上記 Bnd ファミリー因子の心筋特異的ノックアウトマウスの作製も終了し、現在 Bnd 因子とのダブルノックアウト マウスの作製を進めている。これまでの解析において、Bnd 因子とそのファミリー分子の心筋特異的な欠損は心臓の 発生異常など致死性の表現型を呈していないが、これは過去に報告した再生誘導因子と同様に、再生制御機構と発生 制御機構の違いを示唆する結果である可能性が考えられた。本研究の助成により作製が完了したトランスジェニック マウス、コンディショナルノックアウトマウスの成体を用いた解析により、心臓再生・恒常性維持機構における機能が明らかになるものと期待される。 【【発発表表】】 1) 2025 年 02 月 Tuesday Seminar, Centenary Institute, University of Sydney、シドニー、オーストラリア、口頭発表、招待講演 2) 2025 年 02 月 2nd Collaborative Cardiovascular Research Program Meeting、シドニー、オーストラリア、 口頭発表、招待講演 3) 2025 年 01 月 信州大学医学部特別セミナー、松本、口頭発表、招待講演 4) 2024 年 10 月 Dawn of the Precision Medicine Era: Druggable and Undruggable KLF/SP Factors, Phosphatases & Other Signaling Effectors in Human Diseases、デルファイ、ギリシア、口頭発表、招待講演 5) 2024 年 07 月 1st Collaborative Cardiovascular Research Program Meeting、シドニー、オーストラリア、口頭発表、招待講演 6) 2024 年 07 月 Victor Chang Cardiac Research Institute Special Seminar、シドニー、オーストラリア、口頭 発表 7) 2024 年 02 月 Cellular & Molecular Mechanisms of Development & Regeneration、ニューデリー、インド、 口頭発表、招待講演 24菊菊地地 和和 菊地 和

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