上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 口頭発表 15HHIIVV--11 感感染染にに必必要要なな VViiff のの標標的的因因子子のの全全容容解解明明 HIV-1感染に必要なVifの標的因子の全容解明熊熊本本大大学学 ヒヒトトレレトトロロウウイイルルスス学学共共同同研研究究セセンンタターー 分分子子ウウイイルルスス・・遺遺伝伝学学分分野野 熊本大学 ヒトレトロウイルス学共同研究センター 分子ウイルス・遺伝学分野【【目目的的】】HIV-1 が CD4 陽性 T 細胞やマクロファージに感染・増殖するには、これら宿主細胞に備わる防御因子を回避・抑制する必要がある。シトシン脱アミノ化酵素である APOBEC3(A3)ファミリータンパク質は、HIV-1 に対する重要な宿主防御因子であるが、HIV-1 は Vif タンパク質を介してこれらをユビキチン化・プロテアソーム分解することで、抗ウイルス活性を相殺している。Vif は、A3 ファミリータンパク質以外にも、PPP2R5 ファミリータンパク質など複数の宿主因子を標的とするが、HIV-1 の複製に必須な Vif の標的が A3 タンパク質以外に存在するかは不明である。我々はこれまでに、A3AからA3Gまでの 6 つ遺伝子を欠損させた急性骨髄性白血病細胞株 THP-1(THP-1#11-4)を樹立し、A3 ファミリータンパク質が HIV-1 Vif の主要な標的であること明らかにした。本研究では、I 型インターフェロン (IFN)で処理した THP-1 において、HIV-1 の感染性に影響する A3 以外の Vif の標的因子が存在するかを検証した。 【【方方法法】】THP-1 親株および THP-1#11-4 細胞に対し、I型 IFN を処理した後、野生型 HIV-1 または Vif 欠損型 HIV-1を感染させ、48 時間培養した。培養後、細胞上清中の HIV-1 p24 抗原量を測定しウイルス産生量を定量した。p24 濃度で標準化後、TZM-bl 細胞を用いて感染価を評価した。さらに、プロウイルス中の G-to-A 変異はサンガー シークエンスにより、逆転写産物量は qPCR により定量した。 【【結結果果】】I 型 IFN 処理により、THP-1 親株および THP-1#11-4 細胞から産生される HIV-1 の p24 量および感染性は いずれも低下した。一方、THP-1#11-4 細胞から産生された Vif 欠損型 HIV-1 は、IFN 処理の有無にかかわらず野生型HIV-1 と同等の感染価を示した。IFN 処理により、親株から産生された Vif 欠損型 HIV-1 プロウイルス上の G-to-A 変異が増加し、逆転写産物量は減少したが、THP-1#11-4 由来のウイルスでは、I 型 IFN 処理の有無に関わらず、野生型 HIV-1 と同等であった。 【【考考察察】】I 型 IFN 処理の有無に関わらず、A3A から A3G遺伝子の欠損により Vif 欠損型 HIV-1 の感染価が野生型 HIV-1 と同レベルにまで回復した。この結果から、I 型 IFN で処理した THP-1 においても、HIV-1 感染性の決定に 必須な Vif のターゲットは A3 ファミリータンパク質のみであると考えられる。 【【発発表表】】 1) 2024 年 1 月 「集え、他分野研究者!」感染症キャンプ in 宮崎、シンポジウム 2) 2024 年 7 月 第 25 回熊本エイズセミナー、口頭発表 3) 2024 年 9 月 日本遺伝学会第 95 回大会、シンポジウム 4) 2024 年 10 月 The 3rd France-Japan Symposium on HIV/AIDS and infectious disease basic research、 5) 2024 年 11 月 第 38 回日本エイズ学会学術集会、口頭発表 6) 2024 年 11 月 Asia-Pacific Congress of Medical Virology 2024. Singapore EXPO、ポスター発表 図.IFN 処理による HIV-1 の感染性と A3 ファミリータンパク質による阻害活性の変化(****; p<0.0001) 池池田田 輝輝政政 池田 輝政15
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