1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図.研究概要 14医医薬薬品品創創出出をを指指向向ししたた第第 33 級級アアミミンンのの選選択択的的誘誘導導化化 医薬品創出を指向した第3級アミンの選択的誘導化関関西西学学院院大大学学 理理学学部部 化化学学科科 関西学院大学 理学部 化学科第 3 級アミンは多くの医薬品に含まれる基本構造であり、それらを選択的に修飾する合成手法の開発は、有機合成 化学において極めて有用な課題である。本研究では、この目的を達成するため、第 4 級アンモニウム塩を活用した 新たな反応手法の開発に取り組んだ。 第 4 級アンモニウム塩は医農薬分野に広く利用される重要な化合物群である。しかし、その合成は 1890 年に報告 された Menshutkin 反応に大きく依存しており、多様な誘導体の合成には不向きであった。そこで本研究では、これらの塩からラジカル種を発生させ、有機分子へと変換する新たな戦略、すなわち「アンモニウム変換」の概念に基づき 反応の開発を進めた。特に、アンモニウム塩のα位にラジカル中心をもつ「ディストニックラジカル」の生成とその 応用に焦点を当てた。 具体的には、α–ヨードメチルアンモニウム塩を出発物質とし、Ir 錯体を光触媒として青色 LED の照射下で光触媒反応を行った。反応条件を検討することで、光触媒条件下においてα–アンモニオラジカルの発生と制御に成功した。これにより酸化的および還元的条件の切り替えにより、同一基質からアルケニル化およびアルキル化を選択的に実施 可能な反応を確立した。この結果、生物活性分子の短工程合成およびその誘導体合成に応用することができた。さらに、合成した化合物の植物に対する影響を評価したところ、耐塩性を付与する新規な化合物を発見した。 一連の研究は[1,2]、第 4 級アンモニウム塩を最終生成物としてではなく、反応中間体として積極的に活用するという新たな合成戦略を提示するものである。これにより、生物活性分子の迅速な多様化や、新規バイオ スティミュラントの創出に繋がる可能性を示すことができた。 さらに、本研究で得られた知見を基盤として、第 3 級アミンのγ位 C–H 官能基化反応の開発にも成功した[3]。 これにより、γ位に対して高い位置選択性をもってチオエーテル化、アミノ化、アルキル化、(ヘテロ)アリール化、 アルケニル化を実現した。また、医薬品およびその誘導体など複雑な基質への適用も可能であり、後期段階での修飾が容易に行えることを実証した。今後は、これらの成果をさらに発展させ、本研究を完成させるべく引き続き検討を 行っていく予定である。 【【発発表表】】 1) Kinoshita T, Sakakibara Y, Hirano T*, Murakami K*. Switchable diversification of quaternary ammonium salts using photocatalysis. Chem. 2025;11:102366. DOI: 10.1016/j.chempr.2024.11.004. 2) Tonedachi R, Yoshita A, Sakakibara Y*, Murakami K*. Photoredox-enabled synthesis of α-alkylated alkenylammonium salts. Synthesis. 2024;35:337–341. DOI: 10.1055/a-2302-5887. 3) Kinoshita T‡, Hirate K‡, Hamawaki K‡, Chiba S‡, Terada K, Sakakibara Y*, Murakami K*. Taming distonic radical cations for precise gamma-C–H functionalization of alkylamines. ChemRxiv. 2025. DOI: 10.26434/chemrxiv-2025-srlvk (‡ Equal contribution) 14村村上上 慧慧 村上 慧
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