上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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6abbb321abbb321)()(+-++-+61カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) UAUA0Guar gum -0Guar gum -ANRmg3geRANRmb3geRWTWTPiezo1-KOPiezo1-KO上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 腸腸管管上上皮皮ににおおけけるるメメカカノノセセンンシシググのの栄栄養養生生理理学学的的役役割割 腸管上皮におけるメカノセンシグの栄養生理学的役割広広島島大大学学 生生物物生生産産学学部部 広島大学 生物生産学部近年の研究により、機械的刺激(メカノストレス)が細胞の振る舞いに影響を与え、生理機能を調節することが明らかになってきている。私たちが摂取する食物は、粘性や弾性といった一定の物性を持ちながら腸管内を移動する。この過程で、腸管上皮細胞は強いメカノストレスにさらされるが、腸管におけるメカノストレスの感知機構(メカノ センシング)やその栄養生理学的役割については、依然として不明な点が多い。膜イオンチャネル Piezo は、2021 年のノーベル生理学・医学賞の対象となったメカノセンサーであり、これまでに Piezo1 および Piezo2 の 2 種類が同定 されている。これらは細胞外からのメカノストレスに応答してカチオンを細胞内へ流入させ、細胞内シグナルを惹起 することが知られている。本研究では、腸管上皮特異的 Piezo1 欠損マウス(Piezo1-KO, Piezo1 flox/flox; Villin-Cre+)を用いて、メカノストレスが栄養素の消化吸収および腸管バリアの制御に与える影響を検討した。Piezo1-KO マウス およびコントロールマウス(Piezo1flox/flox)に対し、グルコース溶液、デキストリン溶液、大豆油をそれぞれ経口投与し、血中グルコースおよび中性脂質の濃度を測定した。グルコースおよびデキストリン投与時には、両群間で血糖値に 有意な差は認められなかった。一方、大豆油を投与した際には、Piezo1-KO マウスにおける血中中性脂質濃度は、投与後 6 時間までコントロールマウスに比べて有意に低値を示し、腸管上皮における Piezo1 が脂質の消化吸収に関与している可能性が示唆された。さらに、両群に粘性の高い食物繊維を含む飼料を与えたところ、コントロールマウスの小腸上皮では、腸管バリア機能に関与する抗菌ペプチド Reg3βおよび Reg3γの発現が上昇した。これに対し、Piezo1-KOマウスではこれらの抗菌ペプチドの発現上昇は認められなかった。また、食物繊維の摂取により、Reg3β/γの発現 誘導に関与するサイトカイン IL-22 の発現も増加しており、腸管上皮に発現する Piezo1 が、食物繊維に起因する メカノストレスを感知し、腸管バリア機能の調節に寄与していることが示唆された。総括すると、本研究は、腸管上皮における Piezo1 が、栄養素(特に脂質)の消化吸収および腸管バリア機能の調節に関与することを明らかにし、 機械的刺激を利用した新たな機能性食品の開発への応用可能性を示した。 【【発発表表】】 1) 2024 年 8 月 第 81 回日本食品科学工学会、口頭発表 図.Piezo1欠損マウスの小腸における、食物繊維による抗菌ペプチド Reg3 産生への影響 鈴鈴木木 卓卓弥弥 鈴木 卓弥

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