上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 193CCeelllluullaarr BBaacckkppaacckk 応応用用にによよるるiinn--ssiittuu細細胞胞医医薬薬のの創創製製 Cellular Backpack応用によるin-situ 細胞医薬の創製新新潟潟大大学学 大大学学院院医医歯歯学学総総合合研研究究科科 歯歯周周診診断断・・再再建建学学分分野野 新潟大学 大学院医歯学総合研究科 歯周診断・再建学分野【【目目的的】】歯周病治療の本質は病原細菌除去であるが、急速な歯周組織破壊を伴う症例においては免疫応答を調節する 治療モダリティが求められる。新規ドラッグキャリアーである cellular backpack(BP)は、マクロファージが環境に応じて M1/M2(免疫応答促進型/抑制型)性質転換する現象を模倣して,BP から徐放される微量のサイトカインに より,M1/M2 形質転換を環境非依存的に操作するものである。本研究では、歯周炎組織において M2 マクロファージを効率的に誘導し、過剰な炎症の抑制を行う目的で、BPの歯周治療への応用について検討を行った。 【【方方法法】】M2 誘導能が報告される IL-4 を内包薬として選択し、IL-4-BP を作製した。IL-4-BP からの薬剤徐放 プロファイルを ELISA 法にて解析し、IL-4-BP とマウス骨髄由来マクロファージとの結合能および M2 誘導能を フローサイトメトリーにて解析した。IL-4-BP 結合マクロファージ(IL-4-BP cell)を歯周病モデルマウスへ投与し、炎症組織中における局在、M2 性質維持能と歯周炎抑制効果をそれぞれ IVIS イメージングシステム、共焦点顕微鏡による観察または歯槽骨量測定により評価した。 【【結結果果】】BP より IL-4 が 120 時間以上に渡って徐放された。IL-4-BP と細胞の結合率はおよそ 60%と高く、BP 結合によりマクロファージは M2 へと誘導された。歯周炎組織へ投与された IL-4-BP cell は5日以上組織中へ局在すると 共に、組織中の全マクロファージに対する M2 細胞の割合が優位に高く維持された。その結果、IL-4-BP cell 投与に より歯周炎の進行が優位に抑制された。 【【考考察察】】以上の結果より、BP結合によりマクロファージが M2 性質を維持することで、歯周炎組織における免疫応答を制御し疾患の進行を抑制することが明らかとなった。今後は BP と細胞の親和性を強化し、BP 単独投与による組織中マクロファージ操作を可能とする技術の確立を目指し、患者が利用しやすい形での治療薬の実用化を目指したい。 【【発発表表】】 1) Nakajima M, Kapate N, Clegg J.R., Ikeda-Imafuku M, Park K.S., Kumbhojkar N, Suja V.C., Prakash S, Wang L.L., Tabeta K, Mitragotri S. Backpack-carrying macrophage immunotherapy for periodontitis. Journal of Controlled Release. 2025 Jan 10;377 (2025) 315-323. PMID: 39561948 DOI: 10.1016/j.jconrel.2024.11.037 マクロファージと細胞表面に結合した BP( )(A)と IL-4-BP cell 投与による実験的歯周炎の治療効果(B,C) 中中島島 麻麻由由佳佳 中島 麻由佳193

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