上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図1.代表的な属レベルでの腸内細菌叢の比較分析 a) リポ多糖類を含む代表的な腸内細菌叢 b) 短鎖脂肪酸を産生する代表的な腸内細菌叢 188新新生生児児外外科科疾疾患患のの中中枢枢神神経経発発達達とと腸腸内内フフロローーララ制制御御 新生児外科疾患の中枢神経発達と腸内フローラ制御鹿鹿児児島島大大学学病病院院 小小児児外外科科 鹿児島大学病院 小児外科として位置づけられる。腸内フローラ異常(dysbiosis)の是正が新生児外科疾患の急性期治療に有効であるとの知見は散見されるが、その長期的効果、特に中枢神経発達への影響は未知である。神経学的予後の評価には入念な長期 フォローが必要だが、新生児期の外科医療介入との相関を直接的に評価する方法は少ない。 本研究では新生児外科疾患の代表である新生児壊死性腸炎(NEC)モデル動物を用いて、腸内フローラを治療 ターゲットとして急性期治療効果を検討するだけでなく、拡散テンソル MRI 画像を用いて中枢神経の発達を評価することで、長期的な神経学的予後を見据えた腸内フローラ制御・管理方法の開発を目的とする。 【【方方法法】】今回の研究では、NEC の結果として陥る短腸症候群モデルラットを用いて実験を行った。7 日間の順応期間後、90%大量腸管切除を行い、同時に外頚静脈から中心静脈カテーテルを挿入した。完全静脈栄養管理とし、2 群に 分けて、HGF 投与群(HGF group)および非投与群(Control group)をとした。 【【結結果果】】近位結腸と遠位結腸の形態学的評価では、2 つの群間に有意差は認められなかった。MUC2 の発現は、HGF投与群の方が Control 群よりも高かった。HGF 投与群の claudin 1 および claudin 3 のレベルは変化する傾向が あった。HGF の投与は、Control 群の腸内細菌叢の多様性に明らかな変化をもたらさなかった。腸内細菌叢を門レベルで比較すると、HGF 投与群の Verrucomicrobiota の存在量は、Control 群よりも有意に高い傾向があった。腸内細菌叢を属レベルで比較すると、HGF 投与群の Lachnoclostridium および Lachnospiraceae は、Control 群と比較して 有意に高い傾向があった。遠位結腸では、HGF投与群の TLR4 遺伝子発現レベルは Control 群と比較して有意に低下していた。 188大大西西 峻峻 大西 峻【【目目的的】】周産期医療の発達により新生児外科疾患の救命率は飛躍的に向上し、近年は神経学的予後が重要なアウトカム

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