1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 182DDNNAA 損損傷傷応応答答ととククロロママチチンン構構造造変変化化のの連連携携のの理理解解 DNA損傷応答とクロマチン構造変化の連携の理解大大阪阪大大学学 大大学学院院理理学学研研究究科科 生生物物科科学学専専攻攻 染染色色体体構構造造機機能能学学研研究究室室 大阪大学 大学院理学研究科 生物科学専攻 染色体構造機能学研究室AHDC1 が、ヘテロクロマチンタンパク質 HP1 と結合してヘテロクロマチンに局在すること、複数の DNA 損傷修復因子と結合すること、AHDC1 が自己集合活性とクロマチン構造変化の活性を持つことを手がかりに、凝縮した構造をとるヘテロクロマチン上でDNA 修復がどのように制御されているのかをマウスペリセントロメアに豊富なリピートである major satellite 領域(MSR)のヘテロクロマチンをモデルに追求を行った。 【【方方法法・・結結果果・・考考察察】】CRISPR/Cas9 によるゲノム編集により、AHDC1 ノックアウトをマウス NIH3T3 細胞で樹立した(KO)。MSR にからの転写の増大と、RNA 産物のクロマチンへの取り込みが KO で増加し、R-loop(DNA-RNA hybrid)の形成が促進していることも判明した。R-loop の形成は DNA 損傷の要因になることから、AHDC1 欠損は、ヘテロクロマチン領域で、様々な DNA 障害を発生させていると考えられた。リピート領域の DNA 損傷を可視化できる exo-FISH 法により(引用文献 1)、KO では有意に MSR に DNA 損傷が蓄積していた(図)。exo-FISH 法により 明らかとなった MSR に蓄積している DNA 損傷は、野生型 AHDC1 の発現でレスキューできるが、HP1 結合変異体、自己集合活性欠損変異体、DNA 修復因子との結合変異体ではレスキューできなかった。このことから、AHDC1 は MSRに HP1 を介して結合し、自身の自己集合活性や DNA 修復因子らとの結合によって、DNA 損傷応答を促進していることが示唆された。一方で、DNA 損傷応答への反応性を Phospho-S139 H2AX(gH2AX)を指標に計測したところ、KOでは自然発生的な gH2AX の減退が見られ、ChIP-qPCR により、gH2AX が MSR から減退していることが明らかとなった。gH2AX は、損傷応答シグナルを亢進する役目があることから、KO では DNA 損傷への反応が減退し(gH2AXの減退)、その結果、修復反応が遅延することで、MSR に DNA 損傷が蓄積していると考えられた(exo-FISH、図)。 【【引引用用文文献献】】 1) Saayman et al., (2023) exo-FISH: Protocol for detecting DNA breaks in repetitive regions of mammalian genomes. STAR Protocols 4, 102487 図.exo-FISH 法による major satellite 領域(MSR)の DNA 損傷の検出 182磯磯部部 真真也也 磯部 真也【【背背景景・・目目的的】】DNA 上で起こる様々なイベントは裸の DNA 上ではなく、様々なタンパク質などと結合した高次構造体の上で行われるため、クロマチン構造の再編を伴う必要がある。DNA 損傷修復の際には、その異常事態に迅速に 適切な対応を行うために、クロマチン構造の再編が重要だと考えられており、より高度に凝縮したヘテロクロマチン 領域では更に複雑化すると考えられるが、未だ具体的な知見に乏しい。我々は、ヘテロクロマチン因子として同定した【【発発表表】】 1) 2025 年 1 月 第 42 回染色体ワークショップ・第 23 回核ダイナミクス研究会、口頭発表 2) 2024 年 3 月 大阪大学先導的学祭研究機構 RNA-FS 部門 The 5th Wave Program 成果報告会、口頭発表
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