1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 光応答シャペロンを用いた液-液相分離の光操作の概念図 178相相分分離離シシャャペペロロンンをを起起点点ととししたた神神経経疾疾患患のの分分子子病病態態解解明明 相分離シャペロンを起点とした神経疾患の分子病態解明徳徳島島大大学学 先先端端酵酵素素学学研研究究所所 分分子子生生命命科科学学分分野野//大大学学院院医医学学研研究究科科 徳島大学 先端酵素学研究所 分子生命科学分野/大学院医学研究科本研究では、神経変性疾患との関連が指摘される、液-液相分離制御と制御破綻のメカニズム解明の一助となることを目指し、液-液相分離解析のための研究ツールの開発に取り組んだ。具体的には、光によって、液-液相分離の形成・解消を双方向で操作するツールを開発することを目指し、シャペロンの機能を光によって操作するツール「光応答 シャペロン」の開発に取り組んだ。ここでは、シャペロンを化学修飾することによって光応答性を付与し、光照射に よってその活性を制御することを目指した。本研究では、ALS 関連相分離シャペロンについての光操作を最終的な 目標とするが、その第一段階として一般的なシャペロンを対象としてその活性を光操作し、コンセプトを実証することを試みた。 アゾベンゼン誘導体をシャペロンに修飾し、光に応答してシャペロンの機能の ON/OFF を制御するシステムを設計した。設計したコンストラクトは大腸菌を用いた発現系によって調製し、アゾベンゼン誘導体で修飾し、azLid- シャペロンを得た。調製したシャペロンが設計通りに光に応答することを確認するために、紫外可視吸収スペクトルによって光照射後のアゾベンゼン誘導体のコンフォメーションを確認した。また、相分離制御におけるシャペロンの機能切り替えを実証するために、精製された相分離タンパク質の液滴形成を、光照射後に観察した。液滴形成・解消の評価は、光学顕微鏡および濁度にて実施した。 光応答シャペロン azLid-シャペロンは高純度で精製でき、光に対する応答性も設計通りであることが確認された。 さらに、相分離タンパク質の液滴形成を in vitro にて評価したところ、顕微鏡観察および濁度評価から、azLid- シャペロンの相分離抑制機能が、光に応答して切り替わることが確認された。以上の結果より、azLid-シャペロンを 相分離タンパク質と混合することによって、可視光照射では液滴形成が抑制され、UV 光照射では液滴形成が許容 されることが示された。今後、細胞内の液滴操作についての実証実験や、他の種類のシャペロンへの適用などが期待 される。 178齋齋尾尾 智智英英 齋尾 智英
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