上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 168消消化化器器ががんんとと組組織織再再生生ににおおけけるる炎炎症症記記憶憶のの解解明明 消化器がんと組織再生における炎症記憶の解明北北海海道道大大学学 大大学学院院医医学学研研究究院院 統統合合病病理理学学教教室室 北海道大学 大学院医学研究院 統合病理学教室近年、免疫細胞や組織幹細胞が過去の感染や損傷による炎症の記憶を持っていて、この記憶により次回の感染や損傷に対して速やかに応答できる「炎症記憶」という現象が報告され、注目されている(Taniguchi et al., Nat Rev Immunol 2018)。最近皮膚でも上皮幹細胞の「炎症記憶」という現象が報告され、注目されている(Naik et al., Nature 2017)。組織傷害により引き起こされた炎症が、炎症性サイトカインや増殖因子を介して多くのシグナル伝達経路・転写因子を活性化し、組織修復・再生を促進するが、上皮幹細胞の「炎症記憶」現象のメカニズムの 1 つとして、炎症性サイト カインによるエピゲノム変化が想定されている(Taniguchi et al., Nat Rev Immunol 2018)。腸も皮膚と同様に、人体と外界のバリアとして機能するが、腸において炎症記憶現象が存在するのかの研究はなされていない。 今回の研究では、腸の炎症記憶現象の有無を検討し、存在する場合はその意義とメカニズム(関連するシグナルや 転写因子など)を明らかにして、炎症性腸疾患と大腸がんの新たな視点からの病態解明を目指す。 腸のオルガノイドの RNA を用いて、腸上皮細胞に皮膚の炎症記憶に重要な AIM2 が発現しているかをリアルタイムPCR にて検討した。野生型マウスを用いて腸炎を誘導し、間隔を空けて 2 回目の腸炎を誘導した。1 回目と 2 回目の腸炎の程度を体重減少や症状のスコアから比較し、2 回目の腸炎の回復が早くなるか(炎症記憶があるか)を検討した。 腸のオルガノイドに AIM2 が発現していることを確認した。野生型マウスを用いて、腸炎を誘導し、間隔を空けて 2 回目の腸炎を誘導し体重減少を比較検討したところ、2 回目の腸炎の回復が早くなり、腸の炎症記憶があることが 明らかとなった。さらに腸炎前後のサンプルを用いて遺伝子発現変化の解析を行い、変化している遺伝子を複数 同定した。 【【発発表表】】 1) 2023 年 7 月 第二回融合の場、ポスター発表 168谷谷口口 浩浩二二 谷口 浩二

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