1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 再発模倣期には新たな免疫細胞が現れる 166乳乳ががんんママウウススモモデデルルをを用用いいたた再再発発転転移移予予防防法法のの構構築築 乳がんマウスモデルを用いた再発転移予防法の構築金金沢沢大大学学 ががんん進進展展制制御御研研究究所所 分分子子病病態態研研究究分分野野 金沢大学 がん進展制御研究所 分子病態研究分野して多く、命を落とす大きな原因となっているものの、その分子機構は不明である。補助療法を行うと、がん細胞を 育む土壌となる微小環境も破壊されるために、残った少数のがん細胞はすぐには増えることができず、休眠状態に陥る。この休眠状態の間、がん細胞と、破壊後の微小環境の間で相互作用が起き、最終的に悪性度の高いがん細胞が生み出されて、再発転移を起こす。しかしその可塑性の仕組みは全く不明である。 【【目目的的】】本研究では、我々がこれまでに報告した独創的なマウスモデルを用いて、悪性の再発がん細胞が生み出される仕組みを解明する。FRS2beta ノックアウトマウス乳腺内では、サイトカイン枯渇による微小環境の機能不全のため、がん細胞は休眠状態となり、増えることができない。しかし長期間の休眠を経たのち、強い増殖能をもつ悪性度の高いがん細胞が生み出されて、大きい腫瘍を作ると同時に、肺へ転移する。FRS2beta ノックアウト乳腺は、補助療法に より破壊された機能不全の微小環境をよく模倣している。 【【方方法法】】我々の作出した FRS2beta ノックアウトマウスと MMTV-ErbB2 乳がんモデルマウスを掛け合わせした マウスを用いる。MMTV-ErbB2/FRS2beta(野生型)マウスの腫瘍は初発がんのモデル、MMTV-ErbB2/FRS2beta (-/-)(ノックアウト)マウスの腫瘍は再発転移がん模倣モデルとして用いた。 乳腺腫瘍ができてくる過程における微小環境の変化を時系列で解析した。具体的には、休眠期中盤~35 週齢、再発模倣期開始~40 週齢で腫瘍塊を含まない乳腺組織を取り出し、10xGenomics を用いたシングルセル RNA シークエンスを行い、Seurat のプラットフォームを用いて解析した。 【【結結果果】】シングルセル RNA シークエンスを行った結果、興味深いことに FRS2beta ノックアウト乳腺には、再発模倣期直前までに、これまでに報告のない新たな CD45+免疫細胞の集団が現れた。CD45 抗体を用いた免疫染色により 再発模倣期の FRS2beta ノックアウト乳腺組織内で、がん細胞が発生する上皮細胞の近傍に免疫細胞が集積していた(図)。 【【考考察察】】再発、転移がんを起こす際に、新たな免疫細胞集団が現れることがわかった。一方で、間質細胞の集積は 非常に低く、新たな免疫細胞は間質細胞を誘導することはせずに、再発がんを誘導することが示唆された。今後、この免疫細胞集団のパスウエイ解析等を行い、その性質を詳しく調べていく。 166後後藤藤 典典子子 後藤 典子【【背背景景】】乳がんの死亡数は、世界的にも女性のがん死の2位である。抗がん剤による補助療法後に手術を行うのが リンパ節転移のある浸潤性乳がんの標準治療である。しかし数年後に、再発や他臓器への転移が見つかる患者は依然と
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