1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 156筋筋老老化化予予防防とと骨骨格格筋筋にに起起因因すするる老老化化メメカカニニズズムムのの解解明明 筋老化予防と骨格筋に起因する老化メカニズムの解明東東京京大大学学 大大学学院院工工学学系系研研究究科科 ママテテリリアアルル工工学学専専攻攻 東京大学 大学院工学系研究科 マテリアル工学専攻生活を支障なく生活することのできる健康寿命の伸び幅はそれに比べて小さく、平均寿命と健康寿命の差は年々広がっている。このことから、高齢者の健康な社会生活を妨げる老化のメカニズム解明や予防法の確立が強く求められている。これに関して、運動機能を維持している高齢者ほど健康寿命が長いことが報告されており、高齢者の運動機能および骨格筋の維持は老化予防、ひいては健康長寿社会に向けた鍵になると考えられる。骨格筋は全体重の 30%超を占める人体で最大の組織であり、自発運動の制御に加えて、血糖値や体温の制御など身体の恒常性の維持機能も果たしており、老化による筋力の低下は、老化関連疾病との関連が指摘されている。近年、筋繊維への分化誘導因子である miRNA 等を老化した骨格筋へと導入することで筋繊維を再生する、ダイレクトリプログラミング法に注目が集まっている。しかし、骨格筋へと miRNA 等の核酸医薬を導入する技術は確立されておらず、骨格筋を起点とした老化制御法の開発には課題が残されている。本研究では、全身投与により骨格筋へと薬物を送達するためのシステムの基盤技術を開発する。 【【方方法法おおよよびび結結果果】】薬物送達システムのモデル担体として、ポリエチレングリコールを側鎖に有するグラフト型高分子を設計し、組織深部への浸透性が期待される 30 nm 以下の分子サイズを精密制御した合成高分子を合成した。続いて、種々の分子サイズを有する合成高分子をモデル動物(マウス)へと静脈内へ投与し、体内の主要な臓器間の動態分布を評価した。 筋組織へと集積可能な分子サイズを評価するため、組織深部への浸透性が期待される 30 nm 以下の薬物送達システムの担体として、水溶性の生体適合性高分子であるポリエチレングリコール(PEG)を側鎖に有するグラフト型高分子を合成した(図)。主鎖には生体分子のアミノ酸の重合体であるポリアスパラギン(重合度約 100)を使用した。グラフト型高分子の側鎖には、PEG の分子量(2,000、5,000、12,000、20,000、40,000)を導入することで分子サイズの制御を行った。合成したグラフト型高分子の分子サイズ(流体力学直径)は、蛍光相関分光法をもちいて算出した。その結果、導入したPEGの合計分子量に応じて分子サイズ5〜25 nmの間で精密に制御可能であることが確認された(図)。 次に、合成したグラフト型高分子をモデル動物(マウス)へと尾静脈より投与し、6 時間、24 時間、48 時間、96 時間、192 時間後の血中残存量および主要臓器(肝臓・腎臓・脾臓・心臓・肺・大腿四頭筋)への集積量を評価した。その結果、投与 192 時間までの AUC で比較すると、筋組織への集積量は 13 nm が最大であり、次いで 24 nm、19 nmのグラフト型高分子の順であった(図)。本研究結果は、骨格筋を標的とする薬物送達システム開発における新たな知見といえる。また、この分子のサイズ域は生体内のたんぱく質や抗体などの生体中分子のサイズ域と重なっており、次世代のバイオ医薬品の薬物動態を評価するためのモデル分子としても利用可能と期待される。 【【発発表表】】 1) 2024 年 9 月 高分子学会、口頭発表 図.グラフト型高分子の構造式(左)および分子制御性(中央)、筋組織への集積量(右) 156内内藤藤 瑞瑞 内藤 瑞【【背背景景おおよよびび目目的的】】世界中の先進各国では高齢化が進行する中、特に我が国では高齢者率 28.9%と突出した超高齢社会を迎えている。その背景には食生活の改善や高度医療の発展による平均寿命の延伸が要因としてあげられるが、日常
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