1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 154機機能能性性生生体体ナナノノ構構造造にに基基づづくくババイイオオイイオオンンセセンンササのの構構築築 機能性生体ナノ構造に基づくバイオイオンセンサの構築弘弘前前大大学学 大大学学院院理理工工学学研研究究科科 弘前大学 大学院理工学研究科作り出すことで、種々の生体応答を発現している。このような細胞のイオンを制御する機構を利用できれば、次世代のバイオセンサーなどのスマートデバイス開発や、生体の信号を高度に読み取る診断ツールの作成が可能になると考えられる。中でも細胞の膜電位の変化などの生体情報を読み取る試みは、1990 年代から電界効果トランジスタ(FET)などを用いて行われてきている。しかし、FET などの既存の電子デバイスにより生体情報を読み取る手法で得られる観測量である。電流情報は分子種非特異な応答であり、界面に存在するイオンの電荷の符号は認識できるが、イオン種そのものを区別することができないという課題がある。本研究の究極の目標としては、上記問題を克服するため、発光性半導体ナノシート上にイオン応答性のバイオプローブを修飾する方法を確立し、イオンを高精細に認識するバイオセンサーの開発を行うことであるが、本研究期間では、この目標達成のための礎として、界面電気・分光測定を組み合わせ、1)イオン種に対し特異的な親和性を示す生体ナノ構造のペプチド配列の選定、2)イオン局在性と水分子の界面構造と生体ナノ構造のイオン応答性の相関を解明、の 2 つの研究ステップに着手した。 【【方方法法】】新規イオン応答性自己組織化ペプチドとして、亜鉛イオン親和性の高い自己組織化ペプチドの設計に着手した。亜鉛フィンガータンパク質の配列をモチーフとして-C-X-X-C-/-H-X-H-(X:は任意のアミノ酸)を基本モチーフとした3 種類のペプチドを合成した。さらにグラファイトや二硫化モリブデンなどの電極材料上でのペプチドの自己組織化 ナノ構造を形成するため、種々の濃度のペプチド水溶液を基板上に滴下し、1 時間静置した。その後、乾燥空気ブローにより液滴を除去し、真空デシケーターで一晩乾燥させた。このナノ構造のモルフォロジーを評価するため、原子間力顕微鏡によるトポグラフィ評価を行った。そしてステップ 2)の「イオン局在性と水分子の界面構造と生体ナノ構造のイオン応答性の相関を解明」に取り組むため、電極界面の自己組織化ペチドの分子構造、界面吸着イオン・水分子の構造情報の取得のための顕微ラマン分光システムと顕微和周波発生振動分光システムの構築を進めた。 【【結結果果】】原子間力顕微鏡を用いた界面吸着量の検証から、今回設計したペプチド群は、いずれの場合でもグラファイトや二硫化モリブデンなどの二次元ナノ材料上に高い吸着特性を示した。用いるペプチド水溶液濃度と表面被覆率の関係から求めた吸着定数は、既報のグラファイト吸着ペプチドの 10 倍ほどの値を示し、安定なデバイス表面修飾が望めることが明らかとなった。その一方で、界面におけるナノ構造形成の観点からは、マクロな周期構造は確認できず、界面ナノ構造法のさらなる検討が望まれる。 界面ペプチドの分子構造の解析においては、顕微ラマン分光システムの構築を完了し、水溶液中での in situ ペプチド分子構造を行うための二次元ナノ材料転写装置についても構築を終えた。透過配置にて分光測定を行うため、光学的に透過率の高い単層の二硫化モリブデンの合成法についても確立した。また界面イオン・水和環境を測定する ための和周波発生振動分光システムについては、予備動作確認を完了し、顕微測定システムの構築に取り掛かっている。今後は、これらの分光システムを元に、電子材料界面における分子・イオン・水和構造の相関の解明に向けて、検証を重ねていく。 電極界面生体ナノ構造と相互作用する界面イオン・水の理解を通して、界面機能分子設計を目指すコンセプト図 現在の所属:東京科学大学 生命理工学院 現在の所属:東京科学大学 生命理工学院154関関 貴貴一一 関 貴一【【目目的的】】細胞は、細胞膜に埋め込まれたイオンチャネルやイオンポンプを精巧に利用し、細胞内外のイオン濃度の差を
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