1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 150電電気気化化学学計計測測にに基基づづくく AABBCC 輸輸送送体体評評価価法法のの創創出出 電気化学計測に基づくABC輸送体評価法の創出京京都都大大学学 大大学学院院農農学学研研究究科科 応応用用生生命命科科学学専専攻攻 生生体体機機能能化化学学分分野野 京都大学 大学院農学研究科 応用生命科学専攻 生体機能化学分野は、本ファミリーの中で最も研究が盛んな多剤排出輸送体(MDR1)に注目し、様々な基質に対する生化学的・熱力学的特性を評価してきた。その中で、従来の ABC 輸送体評価系における重大な課題を発見した。それは、輸送活性の リアルタイムモニタリングが困難なことである。現状の活性評価では、ATP 加水分解で生じる ADP を HPLC 等で バッチ定量する手法が一般的である。よって、測定に手間を要するだけでなく、タンパク質構造変化のような短時間 かつ非定常的な生命現象の速度論的解析が難しく、本課題は創薬・生命科学研究におけるボトルネックと言える。 【【目目的的】】本研究の目的は、酵素反応と電極反応を駆使することで、ABC 輸送体のin situ特性評価系を開発することである。具体的には、モデル輸送体 MDR1 とリボヌクレオチド還元酵素 RNR を用い、輸送で生じる ADP を電気化学的にモニタリングするというコンセプト実証を目指す。本研究では、リボヌクレオチド還元酵素(RNR)に注目し、本酵素反応と電極反応を共役した「酵素電極反応」を新たに実現することで、ADP を電気化学的に変換できると考えた。 【【方方法法】】 ①RNR の酵素電極反応による ADP の電気化学計測 大腸菌由来 RNR(既知遺伝子nrdAB )の His タグ融合組換え発現系を構築し、酵素を精製する。そして、RNR の酵素電極反応特性を検証する。具体的には、本酵素を電極材料に修飾し、電極に電位を印加した測定系において、ADPを添加したときの還元電流の変化を計測する。このとき、様々な酵素の優れた電極反応場として知られている、機能性電極材料(多孔質炭素や金属ナノ粒子)を活用し、S/N 比の向上を試みる。また、RNR と電極の間の電子移動(=SH-SS 交換反応)を促進するために、チオール類酸化還元分子の活用も併せて検討する。 ②MDR1 と RNR のカスケード反応による輸送活性のリアルタイムモニタリング ヒト由来 MDR1 の動物細胞発現系を用い、MDR1 を精製する。その後、ナノディスクに再構成した MDR1 の輸送活性を確認する。次に、ナノディスク再構成 MDR1 と ATP を含む溶液中で、RNR 修飾電極の電気化学測定を実施し、カスケード反応を検証する。具体的には、MDR1 の基質となる薬剤(ベラパミル、パクリタキセル等)を測定系に添加し、還元電流の上昇をリアルタイムで計測する。 図 ADP 還元を示唆する電気化学データ(赤:RNRあり、黒:RNRなし) 150足足立立 大大宜宜 足立 大宜【【背背景景】】ABC 輸送体は、ATP を駆動力として様々な基質を能動輸送する膜タンパク質の総称である。本輸送体の異常症は加齢とともに増加し、遺伝性疾患や生活習慣病に関与するため、標的治療薬の開発が進められている。研究代表者【【結結果果・・考考察察】】電極材料 X を反応場として、ADP 存在下で電気化学測定を実施した。RNR 単独では酵素電極反応を 確認できなかったが、化合物 Y を電極に修飾したとき、ADP 還元を示唆する電流上昇を確認した(図)。本データの 妥当性を検証するため、生成物である dADP を定量する予定である。また、本研究期間内では、②の計画を実施する ことができなかったため、今後研究を継続し、ABC 輸送体評価系の概念実証を目指す。(特許出願中につき,X およびY は非公開)。
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