上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) BIP の DNA 損傷応答のモデル 125BBRRCCAA11 関関連連分分子子にによよるる中中心心体体のの DDNNAA 損損傷傷応応答答機機構構のの解解明明 BRCA1関連分子による中心体のDNA損傷応答機構の解明東東北北大大学学 加加齢齢医医学学研研究究所所 腫腫瘍瘍生生物物学学分分野野 東北大学 加齢医学研究所 腫瘍生物学分野【【背背景景】】遺伝性乳がん卵巣がん症候群の原因遺伝子産物 Breast Cancer gene 1(BRCA1)は、DNA修復や中心体制御に関与する。当研究室では、DNA 傷害性薬剤処理によって細胞に DNA 損傷を加えると、核内で BRCA1 がリン酸化され、リン酸化 BRCA1 が中心体に輸送され、中心体を制御する重要な分裂期キナーゼ Aurora A によるリン酸化に よる PLK1 の活性化を亢進させ、中心体複製を促進し、中心体数の増加を起こすことを明らかにしてきた。 【【目目的的】】本研究では、中心体の DNA 損傷応答における、BRCA1 の結合タンパク質 BRCA1-interacting protein(BIP)機能と Aurora A の機能について解析する。それにより、細胞核から中心体へのシグナル伝達機構とその機能破綻に よる発がんメカニズムを解明し、中心体を標的としたがんの新たな予防法や治療法の開発の分子基盤を確立することを目的とした。 【【方方法法】】GFP-centrin を中心小体、Proliferating Cell Nuclear Antigen(PCNA)を S 期のマーカーとし、既に作製 した BIP の核外移行シグナル(NES)の変異体発現ベクターを用いて、免疫染色で核外移行の阻害による DNA 損傷前後、細胞質と細胞核での BIP の局在の変化、BIP の中心体局在の違いや中心体数の異常について、中心体の DNA 損傷応答を解析した。また、DNA 損傷のセンサーとされるキナーゼ X による BIP のリン酸化候補残基を同定し、 それらの変異体発現ベクターを作製し、DNA損傷前後、細胞質と細胞核での BIP の局在変化や Aurora A との結合の変化について解析した。 【【結結果果】】BIP の核外移行が、CDDP 処理後の中心体数の増加と Aurora A の中心体局在の増加に重要であることが 明らかになった。また、BIP のキナーゼ X によるリン酸化候補残基は、Aurora A との相互作用に影響を与えなかったが、CDDP 処理後の中心体数の増加と Aurora A の中心体局在の増加に重要であった。 【【考考察察】】CDDP 処理後の BIP の中心体局在の増強の結果と一致して、CDDP 処理による中心体数の増加、S 期の Aurora A の中心体局在の増強に、BIP の NES、キナーゼ X によるリン酸化が重要であることが示された。よって、BIP は、BRCA1 と同様に DNA 損傷後に核内でリン酸化され、核外に移行して中心体に局在し、Aurora A の中心体局在を増強させ、中心体数の増加を起こすと考えられる。また、リン酸化候補残基の変異は、BIP と Aurora A との相互作用には 影響しなかったため、これらのリン酸化が CDDP 処理後の BIP の中心体局在を増強させることが示唆された。今後 さらに中心体の DNA 損傷応答の制御機能を解明することで、その生物学的な意義や発がん機構の解明、さらにはがんの新しい治療法開発への貢献が期待される。 方方 震震宙宙 方 震宙125
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