1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図 1.本研究提案の概要 116特特異異的的相相互互作作用用能能をを示示すす人人工工タタンンパパクク質質のの合合理理的的設設計計法法 特異的相互作用能を示す人工タンパク質の合理的設計法東東京京大大学学 生生産産技技術術研研究究所所 生生体体分分子子設設計計工工学学分分野野 東京大学 生産技術研究所 生体分子設計工学分野質を「合理的かつ即座に」設計可能な手法の確立を目指す。細胞内のタンパク質-タンパク質相互作用を標的とする新しいクラスの薬剤開発は急務である。細胞質や核内でのタンパク質相互作用は、がん、自己免疫疾患、神経変性疾患などの創薬ターゲットとして前臨床試験で広く検証されているが、そのほとんどが医薬品として承認されていない。このような"undruggable"な標的は、医薬品開発における大きな課題となっている。低分子薬は一般に、タンパク質-タンパク質相互作用のなめらかな境界面に結合しにくいため、タンパク質相互作用を効果的に阻害することは困難である。抗体医薬などのタンパク質医薬品は、タンパク質相互作用を効果的に阻害できるが、製造コストが高価で、また低温で保存しなくてはならないなどの欠点がある。 タンパク質が持つ能力を最大限に活かすため、工学や医学分野で有用なタンパク質を人工的に設計することが試みられている。例えば、COVID-19 の原因ウイルスのスパイクタンパク質に強力に結合(Kd ~100 pM)し感染抑止が可能で、かつ 95 度という高温でも安定なため、室温でも長期間保存可能な人工タンパク質が設計された(Cao Science 2020; 図 1A)。しかし、その成功率は 0.01%程度と、この例に限らず、機能性人工タンパク質の設計は依然として職人技と運まかせである(図 1B)。その原因は、タンパク質同士の相互作用に関する基本法則、つまり「タンパク質のどのような性質が、タンパク質相互作用を規定するのか?」という根本的な法則が依然として明らかでないことに尽きる。そこで、タンパク質の相互作用の強度や特異性を規定する特徴量を探索・特定することで、機能性人工タンパク質を合理的に 設計することを目指す(図 1C)。 【【方方法法】】上記目標を達成するために、タンパク質相互作用の一般則を明らかにするための基本戦略としては、(1)タンパク質ライブラリを設計、(2)タンパク質相互作用を実験により正確に測定、(3)そこから得られる膨大なデータを解析、その結果に基づき予測モデルを確立し、(4)ライブラリを再設計する。このような設計-測定-解析-再設計というサイクルを繰返し、タンパク質相互作用を正確に予測する機械学習モデルを構築していく。 具体的には AlphaFold2 に基づくバインダー結合ツールを用いて、標的タンパク質に結合する人工タンパク質 バインダーを設計する。DNA オリゴプールを活用することで、1 万種類前後のバインダータンパク質を設計し、それらの標的タンパク質に対する結合を Yeast display で定量する。更に、それらの結合が確認できたものと確認 できなかったもので、大きく異なる特徴量を探索し、優れたバインダータンパク質の特徴を特定する。 【【結結果果】】標的タンパク質に結合するものを確認することができ、加えて結合を決定する重要な特徴量の特定も進めている。(詳細については、未発表データのため省略) 【【考考察察】】大規模な解析により、結合に重要な特徴量の特定が可能となりつつあるため、大規模な解析の重要性が再確認される結果であると考察している。(詳細については、未発表データのため省略) 116坪坪山山 幸幸太太郎郎 坪山 幸太郎【【背背景景・・目目的的】】本研究提案では、標的分子と特異的かつ強力に相互作用することができるような機能的な人工タンパク
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