1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 114多多系系統統萎萎縮縮症症でで同同定定さされれたた遺遺伝伝子子変変異異のの解解析析 多系統萎縮症で同定された遺伝子変異の解析広広島島大大学学 ゲゲノノムム編編集集イイノノベベーーシショョンンセセンンタターー 広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター健常人での頻度とを比較する。網羅的に変異を検索する。またロングリードシークエンスを用いて、遺伝子 A 周辺の リピート配列等も検索する。 【【結結果果】】MSA 患者 600 人に関して、正常コントロール 1,000 人に対してターゲットシークエンスにより、遺伝子の 変異を検索したが、同様な変異は見出せなかった。さらに MSA 患者 12 人に関して、ロングリードシークエンスに よる全ゲノム解析、特に遺伝子 A 周辺のリピート配列に関して、解析したが、有意な変化を認めなかった。 【【考考察察】】MSA 血族婚家系から見出した遺伝子変異に関して、正常コントロールも含めて、新たに変異を見出せ なかった。したがって、この変異が MSA の原因であっても、極めて稀であることがわかった。一方で、この遺伝子 変異を導入したマウスでは、運動失調を含む行動異常、および GCI 様封入体の出現を一部のマウスで見出しており、モデルマウスのさらなる解析により、遺伝子 A の変異が MSA を引き起こすのか、単なる表現模写に過ぎないのか、 検討していく必要がある。 114多多田田 有有似似 多田 有似【【研研究究のの背背景景】】多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は自律神経障害・錐体外路症状・小脳性運動失調の3 つの症状がさまざまな割合で出現することを特徴とする進行性の神経変性疾患である。MSA はオリゴデンドロ グリア細胞質内の不溶化したα-シヌクレインからなる封入体(グリア細胞質内封入体:GCI)を特徴とし、α- シヌクレオパチーに属する。一方で他のα-シヌクレオパチーであるパーキンソン病(PD)やレビー小体型認知症(DLD)ではα-シヌクレインがレビー小体として神経細胞に蓄積する。さらにクライオ電子顕微鏡を用いた最新の研究でも、蓄積したα-シヌクレインの構造が PD や DLD と MSA で異なることも明らかになってきた。また、PD では 20 個 以上の原因遺伝子が見つかっているが、MSA が関与する遺伝子は不明であり、原因解明のために MSA 発症に関わる遺伝子を明らかにする必要がある。 【【目目的的】】MSA の発症に関与する遺伝子を同定する。 【【方方法法】】MSA 患者、血族婚家系より同定した遺伝子 A に関して、約 600 検体を対象にスクリーニングを実施する。 次世代シーケンサー(Ion Proton system)を用いて遺伝子 A のエクソン領域に対してターゲットシーケンシングを 実施し、ミスセンス変異を同定する。健常人検体でも同様のスクリーニングを実施し、発症者が変異を保有する頻度と
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