-------1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) FLAG 精製画分には、リボソーム 50S サブユニット前駆体由来の 【【目目的的】】2019 年に世界で 127 万人が薬剤耐性菌感染症によって死亡したことが報告されており(薬剤耐性による関連死は 495 万人)、細菌の薬剤耐性は人類が直面するグローバルな公衆衛生の脅威である。Cfr 遺伝子によって媒介 される多剤耐性は病原性ブドウ球菌において 2007 年に報告されて以降、プラスミドなどの可動性因子による水平伝播が欧米を中心に多数報告されており、医療分野・畜産分野において大きな問題となっている。Cfr は翻訳装置リボ ソームの 50S サブユニットを構成する 23S rRNA の A2503 をメチル化修飾する酵素であり、リボソームの活性中心(PTC)を標的とする Chloramphenicol(Cm)、Linezolid(Lnz)、Lincomycin(Lin)を含む 8 つのクラスの抗生 物質に対して耐性を付与する。特に、Linezolid は 2001 年に日本で初めて承認されたバンコマイシン耐性腸球菌感染症に対する治療薬であり、cfr 遺伝子を保持する病原性細菌の出現と増加が我が国でも懸念されている。しかし、Cfr の発現制御やメチル化修飾の分子機構に関しては不明な点が多く、Cfr を標的とした創薬開発に向けた基礎的知見は 乏しいのが現状である。そこで本研究ではまずベンチマークとして、2020 年にゲノム解読が完了した土壌性細菌Bacillus dafuensisに焦点を当て、この菌が保持するcfr 遺伝子を生化学的および分子生物学的手法が確立されている近縁種 Bacillus subtilis(B. subtilis)に導入し、詳細に解析する。さらに、院内感染起因細菌及び土壌性細菌が保持 するcfr 遺伝子に関する比較解析を行い、新規抗生物質の開発に向けた基礎的な知見を得ることを目的とした。 【【方方法法】】本研究ではまず、土壌性細菌Bacillus dafuensis が保持する約 4.5 kb のcfr–abcf オペロンを全長人工合成し、各遺伝子の C 末端に FLAG タグを融合したコンストラクトを作製した。合成断片は、B. subtilis へのゲノム挿入 ベクターにクローニングし、自然形質転換法によりB. subtilis 168 株へ導入した。導入株は PCR およびシーケンスで挿入を確認後、Chloramphenicol(Cm)、Linezolid(Lnz)、Lincomycin(Lin)各抗生物質を添加前、添加 30 分後のFLAG 抗体により発現量を検証した。発現解析には細胞抽出液を用い、SDS–PAGE/ウェスタンブロットで AntiFLAG の量を定量した。発現制御機構の検証には、上流に存在する新規 uORF の開始コドンCfr(ATG)をアラニン置換(GCG)した変異株を作製し、同様の抗生物質依存性発現解析を行った。さらに、Cfr 複合体の精製は、500 mL 培養液から回収した細胞菌体を用い、細胞破砕後、上清を AntiFLAG アフィニティーアガロースに通して 3×FLAG ペプチドで溶出し、SDS–PAGE および質量分析で共精製タンパク質を同定した。最後に、 得られた複合体画分をグリッドに塗布し、Titan Krios(300 kV)を用いて Cryo2D 分類・3D再構築を行った。高分解能化のため、現在は Mg²+濃度や界面活性剤の最適化を進めている。 【【結結果果】】抗生物質添加下では、Cm 存在時に CfrFLAG の発現量が誘導されることを明らかにした。一方、uORF 開始コドンをアラニン置換した変異株では、抗生物質による発現誘導がほぼ消失し、新規 uORF が抗生物質依存的なcfrの-発現誘導に必須であることを明らかにした。Antiリボソームタンパク質が共沈しており、ショ糖密度勾配遠心方によってさらに分画したところ、未成熟な 50S サブ ユニットを検出した。初期の Cryo様子が示唆された。現在は、サンプルの安定化および氷厚の均一化を目的にバッファー組成や添加剤の条件検討を 行っており、最終的に高分解能構造取得を目指している。 【【発発表表】】 1) 2023 年 3 月 第 96 回日本細菌学会総会、口頭発表(シンポジウム) 2) 2024 年 8 月 第 97 回日本細菌学会総会、口頭発表(シンポジウム) 3) 2024 年 11 月 第 47 回日本分子生物学会年会、口頭発表(シンポジウム) 112多多剤剤耐耐性性因因子子ででああるる rrRRNNAA 修修飾飾酵酵素素 CCffrr のの比比較較機機能能解解析析 多剤耐性因子であるrRNA修飾酵素Cfrの比較機能解析富富山山県県立立大大学学 工工学学部部 生生物物工工学学科科 京都産業大学 生命科学部FLAG および ABCF現在の所属:富山県立大学 工学部 生物工学科112高高田田 啓啓 高田 啓EM マップでは、Cfr が PTC 近傍に結合し未成熟 50S 前駆体と相互作用しているEM データを収集、RELION 4.0 で
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