上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) siRNA による RNA 干渉 108RRNNAA 干干渉渉をを細細胞胞内内ににおおいいてて 11 分分子子感感度度でで捉捉ええるる新新規規手手法法 RNA干渉を細胞内において1分子感度で捉える新規手法東東京京大大学学 定定量量生生命命科科学学研研究究所所 RRNNAA 機機能能研研究究分分野野 東京大学 定量生命科学研究所 RNA機能研究分野Small interfering RNA(siRNA)は、わずか21 塩基ほどの非常に小さな RNA であるが、その小ささとは裏腹に、相補的配列を持つ遺伝子の発現を強力に抑制する。この現象は「RNA 干渉」と呼ばれ、生命科学においては興味 遺伝子の機能を調べるための解析ツールとして世界中で使用されており、基礎医学においても siRNA 自体を次世代型の低分子医薬として用いた治験が複数実施されるなど、その重要性に疑う余地はない(2006 年、ノーベル生理学・ 医学賞)。その重要性ゆえに、これまで siRNA について国内外で精力的な先行研究が進められてきた。こうした先行 研究により、siRNAは以下の過程を経てRNA干渉を実行することが明らかになっている(図)。(1)siRNAがArgonaute(AGO)蛋白質に取り込まれ、RNP 複合体が形成される。(2)形成された RNP 複合体が siRNA を介して相補的配列を持つ mRNA を認識する。(3)RNP 複合体中の AGO が mRNA を切断し、これにより遺伝子発現が強力に抑制 される。しかしながら、このように siRNA の機能メカニズムについては理解が進んでいる一方、実は siRNA には未だ理解が進んでいない、ある重要な側面が存在する。それは、siRNA は「細胞内において、一体いつ・どこで機能 するのか」といった時空間的な側面である。と言うのも、siRNA による RNA 干渉は、これまで主に生化学的な手法によって解析されてきた(例えば、細胞をすり潰したライセートを用いて、試験管内で解析する手法など)。そのため、siRNA の機能メカニズムについては解析可能であるものの、それが実際に細胞内において、一体いつ・どこで機能 するのかという側面については踏み込めなかったのである。そこで本研究では、こうした siRNA の時空間的な側面に迫るべく、siRNA による RNA 干渉(すなわち、mRNA の切断)を細胞内 1 分子イメージングできる新しい手法の 確立を目指した。その結果、mRNA の切断を細胞内において 1 分子 mRNA 感度で検出できる新規レポーターmRNAを構築することに成功し、これにより mRNA が転写されてから切断されるまでの経過をタイムコース解析することに成功した(未発表データにつき具体的な内容は割愛:Li et al., in preparation)。 【【発発表表】】 1) 2024 年 7 月 第 76 回 日本細胞生物学会大会、招待講演 2) 2024 年 8 月 2024 年度 徳島大学先端酵素学研究所シンポジウム、招待講演 3) 2024 年 9 月 International Symposium on Multifaceted Protein Dynamics、口頭発表 4) 2024 年 10 月 Karolinska Institutet Guest Seminar、招待講演 108小小林林 穂穂高高 小林 穂高

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