上原記念生命科学財団_研究報告集vol39_デジタルブック用
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1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) NormalDSS上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図 1.GPR41 欠損マウスでは体重減少の回復が遅延する 100腸腸管管組組織織炎炎症症ににおおけけるる GGPPRR4411 陽陽性性好好酸酸球球のの機機能能解解析析 腸管組織炎症におけるGPR41陽性好酸球の機能解析千千葉葉大大学学 未未来来粘粘膜膜ワワククチチンン研研究究開開発発シシナナジジーー拠拠点点 千葉大学 未来粘膜ワクチン研究開発シナジー拠点(Rothenberg, et, al., Annu Rev Immunol, 24, 2004)。我々は、腸管組織修復における好酸球の役割を明らかにするため、DSS 腸炎の回復期をモデルに抗 Siglec-F 抗体投与による好酸球除去の影響を評価した。その結果、抗 Siglec-F 抗体投与群では対照群に比べ腸炎回復期における体重の増加が有意に遅延し、腸管 HE 染色において Day10 の時点でも腸管粘膜固有層の炎症細胞浸潤が持続し、組織修復が遅延していることが明らかとなっている。しかし、好酸球が組織修復に寄与する詳細な分子メカニズムは明らかになっていない。他方、我々は小児気管支喘息患者糞便検体におけるプロピオン酸産生腸内細菌の網羅的解析および GPR41 欠損マウスによる喘息モデル実験により、腸管内プロピオン酸-GPR41 陽性好酸球経路がアレルギー性気道炎症を抑制するメカニズムを世界に先駆けて明らかにした(Ito et al., Gut Microbes, 2023)。しかし、腸管修復過程における本経路および腸内細菌の寄与は未だ不明である。そこで本研究では、好酸球特異的 GPR41 欠損マウスに DSS 腸炎モデルを惹起し、その表現系を詳細に解析するとともに、次世代シーケンサーを使用した 16S rRNA 菌叢解析を行うことにより、腸管炎症における GPR41 陽性腸管好酸球の機能と腸内細菌の寄与の解明を目指す。 【【目目的的】】本研究では腸管炎症における GPR41 陽性腸管好酸球の寄与の解明を目指す。 【【方方法法】】GPR41 欠損マウス(GPR41(-/-))および littermate マウス(GPR41(+/-))に、DSS(デキストラン硫酸ナトリウム)誘導性腸炎を惹起し、体重変化を経時的に評価するとともに、経時的に腸管長の評価、組織学的評価、炎症細胞のフローサイトメトリーによる評価を行った。 【【結結果果】】GPR41 欠損マウスでは littermate マウスに比べ腸炎回復期における体重の増加が有意に遅延し(図 1)、腸管HE 染色において腸管粘膜固有層の炎症細胞浸潤が持続していることが明らかとなった。さらに回復期の腸管粘膜固有層細胞を単離し、フローサイトメトリー解析を行ったところ、GPR41 欠損マウスでは littermate マウスに比べ、CD4陽性 T 細胞、制御性 T 細胞、マクロファージ、樹状細胞の絶対数が増加していることが明らかとなった。 【【結結論論】】GPR41 欠損マウスでは腸管の組織修復の遅延が起こり、炎症が残存していることが明らかとなった。 100伊伊藤藤 崇崇 伊藤 崇【【背背景景】】好酸球は、抗菌性や抗炎症性の因子を含む広範な生理活性物質を合成、放出する顆粒球の一種である

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