1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 図 1. 光クリック反応による多様なホスホニウム化合物の合成 96創創薬薬をを指指向向ししたたホホススホホニニウウムム化化合合物物ののククリリッックク合合成成 創薬を指向したホスホニウム化合物のクリック合成北北海海道道大大学学 大大学学院院理理学学研研究究院院 化化学学部部門門 有有機機金金属属化化学学研研究究室室 北海道大学 大学院理学研究院 化学部門 有機金属化学研究室を標的とした医療が注目を集めている。中でもミトコンドリアを標的とした分子輸送の方法として、ホスホニウム カチオンの導入が盛んに研究されている。第 4 級ホスホニウムはリン原子に 4 つの炭素置換基が置換したカチオン種であり、その脂溶性とカチオン性を両立した特異な性質から、膜を透過し負に帯電したミトコンドリア内に局在する。しかし、これらミトコンドリア標的分子の重要性にも関わらず、有機分子へのホスホニウム導入反応は極めて限定的である。本研究ではアルキン-ホスフィンクリック反応を駆使することで、アルキン部分を有する有機分子に対して簡便にホスホニウム構造を導入する手法の開発を目的とする。 【【方方法法】】原料のアルキンに対して可視光の照射下で光触媒、ホスフィン試薬、およびプロトン源を作用させることで、ホスホニウム化合物を合成する。さまざまなアルキン基質に対して光クリック反応を行うことで、ミトコンドリア標的分子群の合成とその活性や機能の評価を行う。 【【結結果果とと考考察察】】多様なアルキンを出発物として、光クリック反応を行った結果を図 1 に示す。天然物や医薬品に見られる水酸基、カルボキシ基、エステル、ヘテロ環など多くの官能基に対して耐性があり、それらを含んだアルキン基質のクリック反応が効率よく進行した。また、その後の分子変換が可能な炭素―塩素結合を保持したまま反応が進行し、 対応するホスホニウム化合物が得られることもわかった。反応は diclofenac や indomethacin などの医薬品誘導体にも適用することができ、ミトコンドリア局在能を付与することに成功した。そのほか、蛍光標識分子の光クリック反応も可能であることがわかった。さらに得られた新規蛍光標識分子の機能を評価したところ、狙い通りミトコンドリアを 標識できることが明らかになった。以上のように、光クリック反応がミトコンドリアを標的とした新規分子群創出の ための強力なツールとなることがわかった。 【【発発表表】】 1) Masuda Y. Ikeshita D. Higashida K. Yoshida M. Ishida N. Murakami M. Sawamura M. Photocatalytic 1,2-Phosphorus-Migrative [3 + 2] Cycloaddition of Tri(t-butyl)phosphine with Terminal Alkynes. J. Am. Chem. Soc. 2023 Aug 21;145(34): 19060-6. PMID: 37603330 DOI: 10.1021/jacs.3c06760 96増増田田 侑侑亮亮 増田 侑亮【【研研究究背背景景とと目目的的】】ミトコンドリアの機能不全が様々な疾病の原因となることがわかってきており、近年ミトコンドリア
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