1カルボニルストレスに着目した精神疾患発症機序の解明〇〇大学 〇〇科新井 誠上原記念生命科学財団研究報告集, 39 (2025) 上原記念生命科学財団研究報告集, 39(2025) 84直直接接浸浸透透にによよるる間間質質制制御御がが拓拓くく難難治治性性腹腹膜膜播播種種免免疫疫治治療療 直接浸透による間質制御が拓く難治性腹膜播種免疫治療千千葉葉大大学学 大大学学院院薬薬学学研研究究院院 薬薬物物学学研研究究室室 千葉大学 大学院薬学研究院 薬物学研究室法が求められている。一因として、細胞外マトリックス(ECM)など豊富な間質によって押しつぶされた虚脱血管が多く血流が乏しいため、静脈内投与後に血液を介した腹膜播種への薬物の送達効率が悪い点が挙げられる。我々は高分子医薬を腹腔内投与すると静脈内投与と比較して効率よく腹膜播種へ送達できることを見出した(Yamamoto M, et al. J Control Release, 2022)。そこで本研究では、ECM分解酵素を発現する mRNA 医薬の腹膜播種効率的な送達による 間質除去戦略を実現するため、mRNA 医薬のデリバリーシステムである脂質ナノ粒子(LNP)の腹腔内投与後の腹膜播種への mRNA 送達と機能評価を行った。また LNP は生体内で肝臓への送達が免れないため、肝臓特異的 microRNAである miR-122 結合配列を mRNA の 3’UTR に付加することで、肝臓における発現を低減可能か検証した。 【【方方法法】】脂質ナノ粒子は、エタノール溶液に希釈したイオン化脂質、コレステロール、リン脂質、PEG 脂質と酸性緩衝液に希釈した mRNA をマクロ流体デバイスで混合後、限外ろ過により外水相を PBS に置換し作製した。マウス大腸癌 MC38 を C57BL/6 マウスへ腹腔内投与し腹膜播種モデルを作製した。ルシフェラーゼ発現 mRNA を封入したLNP を腹膜播種モデルへ腹腔内投与後、回収直前にルシフェリンを投与し、腹膜播種や腹腔内臓器のルシフェラーゼ発現量をin vivoイメージング装置(IVIS)で評価した。miR-122結合配列を付加した蛍光タンパク質 mCherry 発現mRNA を封入した LNP を肝癌細胞と MC38 細胞に導入後に、mCherry 発現を蛍光顕微鏡で評価した。また ECM 分解酵素を発現する mRNA を LNP に封入し、腹膜播種モデルへ腹腔内投与後に回収した腹膜播種の組織切片においてECM を蛍光免疫染色し、蛍光顕微鏡で観察した。 【【結結果果】】LNP を腹腔内投与後のルシフェラーゼ発現は、主に肝臓と腹膜播種で観られ、腹膜播種での発現量は肝臓を上回っていた。腹腔内投与した LNP は、腹腔から直接腹膜播種組織に到達した。また、腹腔内からリンパ系を介して全身循環に至った LNP は、血管系から肝臓へ移行したと考えられる。一方で、LNP を静脈内投与後のルシフェラーゼ発現は主に肝臓で観られ、腹膜播種ではその発現は観られなかった。従って、腹腔内投与は腹膜播種への LNP の送達経路として有用であることが示された。 しかし、依然として肝臓への集積が認められるため、肝臓の有害事象の低減のため、肝臓で発現を抑制するためのmRNA 設計を試みた。肝臓では miR-122 が特異的に発現しているため、miR-122 結合配列を mRAN の 3’UTR に付与することで、肝臓での mRNA 発現の抑制が期待できる。3’UTR に miR-122 結合配列を付加した蛍光タンパク質mCherry 発現 mRNA 封入 LNP を miR-122 を発現するマウス肝癌細胞 Hepa1c1c7 およびマウス大腸癌 MC38 に導入すると、MC38 でのみ mCherry の発現を認めた。これにより、miR-122 結合配列を付加することで肝臓での mRNA発現が抑制できることが示された。 ECM 分解酵素を投与することで、腹膜播種組織の ECM 分解が確認された。またその後に静脈内投与した抗 PD-L1抗体は、血管系から腹膜播種への移行が増加した。本戦略が、腹膜播種の間質除去と薬物の送達効率向上を介して難治性の腹膜播種の免疫療法に有用であることが示された。 脂質ナノ粒子の投与経路による腹膜播種における mRNA 医薬の発現活性の違い 84畠畠山山 浩浩人人 畠山 浩人【【目目的的】】大腸癌を原発とする転移である腹膜播種は化学療法が、主な治療であるが予後は極めて不良であり新たな治療
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