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上原賞受賞者(詳細)

※平成26年度までに48名の方が上原賞を受賞されました。(平成10年度は該当者なし)

平成26年度2014

狩野方伸教授 狩野 方伸 (カノウ マサノブ) 東京大学大学院医学系研究科教授
「シナプスの機能発達、可塑性および伝達調節の基本メカニズムの解明」
 生後発達期の脳において、余剰なシナプスが除去され、必要なシナプスが機能的に強められて残ることによって、 成熟した神経回路が出来上がるが、この「シナプス刈り込み」の過程とその分子機構を小脳のシナプスをモデルとして用いて解明した。 また、小脳プルキンエ細胞の長期抑圧というシナプス可塑性のメカニズムを追求し、 小脳の長期抑圧が運動学習の細胞基盤であることを世界に先駆けて証明するとともに、抑制性シナプスの長期増強を発見し、 興奮性シナプスのみならず、抑制性シナプスにもシナプス可塑性があることを初めて示した。更に、内因性カンナビノイド (脳内マリファナ類似物質)が、シナプスにおいて逆行性伝達物質として働くことを証明し、 これが神経系の様々な部位における主要なシナプス伝達調節物質機構であるという概念を確立した。 脳の神経回路の機能解明を大きく進展させた先駆的な研究業績。

平成25年度2013

笹井芳樹先生 笹井 芳樹 (ササイ ヨシキ) 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター副センター長
「幹細胞の自己組織化による臓器形成の自律制御原理の研究」
 脳の初期発生制御のメカニズムの解明に取り組み、 自ら明らかにした動作原理をもとにES細胞の実験系を用いた試験管内における発生制御系の再現に成功し、 再生医学を大きく進める基盤技術を確立した。さらに、試験管内分化系にてより高度な発生の再現に挑み、幹細胞から、大脳皮質、網膜、 下垂体等の立体構造を持った器官の産生に成功した。また、幹細胞の集団が自発的に器官のもととなる高次構造を生み出す 「自己組織化」により立体形成を制御していることを証明し、多細胞の動態制御による高次な生命現象を解明した。これらの成果は、網膜難病、 神経難病の再生医療の技術基盤の確立に大きく貢献しており、国際的にも高く評価されている。 神経発生学および幹細胞を用いる再生医学の領域で新境地を拓いた独創的研究業績。
濡木理教授 濡木 理 (ヌレキ オサム) 東京大学大学院理学系研究科教授
「細胞膜輸送の分子機構の解明」
 細胞の生命の維持に必須な膜輸送体による膜輸送の駆動機構、輸送基質の認識機構、 輸送制御機構に焦点を当てて膜輸送体の分子機構を解明した。マグネシウム輸送体MgtEの結晶構造を決定し、 細胞内マグネシウム濃度を一定に保つ働きがあることを解明、合成タンパク質を膜を介して輸送するSecYEG、 またそれと協働するSecDFの結晶構造を決定した。また、光駆動型カチオンチャネルであるチャネルロドプシンの構造を決定し、 光によってチャネルが開閉するメカニズムを明らかにし、神経細胞学の基盤をつくった。 また多剤排出輸送体であるMATEやジペプチド輸送体であるPOT、Ca2+/H+交換輸送体などのトランスポーターの立体構造を決定し、 分子機構を解明した。細胞膜輸送蛋白の構造を解明することにより、分子機構を解明した画期的な研究業績。

平成24年度2012

竹縄忠臣教授 竹縄 忠臣 (タケナワ タダオミ) 神戸大学大学院医学研究科特命教授
質量分析総合センター長
「ホスホイノシタイド結合タンパク質による細胞ダイナミズム制御」
 イノシトールリン脂質情報伝達研究に取り組み、微量脂質であるホスホイノシタイドの生理機能を解明し、 その重要性を明らかにした。P(I 4,5)P2やP(I 3,4,5)P3などのホスホイノシタイドがN-WASP、WAVEなどのタンパク質を活性化し、 アクチン重合を促進して糸状仮足、葉状仮足形成、陥入構造などの膜の形作りに必要なことを解明した。また、 Epsinの機能未知のENTHドメインが新たなホスホイノシタイド結合ドメインであることを発見し、構造を解析した。 さらにホスホイノシタイドが結合して膜の変形を促す一連のタンパク質を発見するとともに、 内向きや外向きの突起構造を作るという詳細な機序を解明した。ホスホイノシタイドが細胞骨格、細胞運動を制御していることや、 細胞膜の突起構造や陥没構造などの膜の形作りに重要な役割を果たしていることを解明した独創的研究業績。
渡邊嘉典教授 渡邊 嘉典 (ワタナベ ヨシノリ) 東京大学分子細胞生物学研究所教授
「染色体分配の基本原理の解明」
 生殖細胞の減数分裂における特殊な染色体分配様式が、染色体の接着を司る因子コヒーシンに起因することを突き止め、 さらに、コヒーシンを特異的に保護する因子“シュゴシン”を発見した。減数分裂の根幹に関わる最も重要な分子及びその作用機構の解明により、 染色体分配の基本原理の理解を大きく進展させた。また、動原体タンパク質Moa1を発見し、染色体の分配の方向を規定する 「セントロメア接着による動原体方向制御モデル」を世界に先駆けて提唱、動原体の方向性を決める分子メカニズムの基本的なコンセプトを確立した。 この染色体分配の分子作用機構の概念は基礎生物学および医学いずれの観点からも極めて重要な根本課題に対し、明快な説明を与えた。 生命科学の基礎研究分野のみならず、癌や生殖医学分野などへの貢献も期待される先駆的研究業績。

平成23年度2011

森和俊教授 森 和俊 (モリ カズトシ) 京都大学大学院理学研究科教授
「小胞体ストレス応答の発見とその分子機構の解明」
 小胞体における「タンパク質の品質管理」という新しい概念を確立するとともに、細胞内情報伝達に関する分子機構を解明した。 出芽酵母において、高次構造の異常なタンパク質を感知するセンサー(IRE1)が存在すること、IRE1の会合・活性化により転写因子のmRNAがスプライシングされ、 シャペロンタンパク質の遺伝子発現が誘導されるという分子機構を解明した。一方、哺乳動物では、IRE1経路の他に、ATF6が異常なタンパク質を認識すること、 ATF6自身が転写因子に変換されて、シャペロンのプロモーターに作用するという特異的な経路があることを明らかにした。小胞体が、 分泌タンパク質や膜タンパク質の構造を確認し、異常ならば修復・除去するというダイナミックなオルガネラであることを明らかにするとともに、 小胞体の異常に起因する疾病の原因究明に大きなインパクトを与えることとなった独創的な研究業績。
山本雅之教授 山本 雅之 (ヤマモト マサユキ) 東北大学大学院医学系研究科長・教授
「酸素や食物が内包する毒性に対する生体の応答機構の解明」
 環境毒物や酸化ストレスへの生体応答機構の解明に取り組み、その分子メカニズムを解明した。 環境発癌物質と酸化ストレスのセンサーであるKeap1とその指令に応答する転写因子Nrf2を発見し、 またKeap1-Nrf2複合体が食餌性の毒物や酸素などの酸化ストレス応答に対して、解毒、代謝の遺伝子を誘導していることを明らかにした。さらに、 Keap1-Nrf2系が転写因子の分解による抑制と分解抑制による活性化、すなわち「脱抑制制御機構」により環境ストレスに対する即応性を獲得することを解明し、 「環境応答型転写因子誘導」という新しい概念を確立した。研究成果はストレスに起因する疾病に対する治療薬開発にも応用されている。 環境ストレスに対する生体応答機構の研究領域に新しいフロンティアを形成した先駆的研究業績。

平成22年度2010

河西春郎教授 河西 春郎 (カサイ ハルオ) 東京大学大学院医学系研究科教授
「大脳シナプスと分泌現象の2光子顕微鏡を用いた研究」
 大脳皮質のシナプス可塑性、特に学習、記憶の機構解明にケイジドグルタミン酸を用いる2光子顕微鏡システムを開発した。 この方法により、単一シナプスを刺激することが可能になり、刺激に伴う大脳シナプスの運動・形態変化と学習、記憶の関係を明らかにした。 また、スパインのアクチン線維の変化を光活性化GFPを用いて解析し、スパインの運動性(頭部増大)と長期記憶現象との関係を明らかにした。 さらには、分泌現象においても2光子顕微鏡を用いて単一分泌小胞について、その容積、表面積等を定量的に測定する方法を確立し、 分泌過程を生きた細胞内で経時的に追及することが可能となった。 2光子顕微鏡を駆使した大脳シナプス可塑性と分泌現象を解明した画期的研究業績。
間野博行教授 間野 博行 (マノ ヒロユキ) 自治医科大学分子病態治療研究センター教授
東京大学大学院医学系研究科特任教授
「肺がん原因遺伝子EML4-ALKの発見と臨床応用」
 独自のがん遺伝子スクリーニング技術を開発し、それを用いて肺がんの新規融合型チロシンキナーゼEML4-ALKを発見する事に成功した。 正常細胞ではEML4遺伝子とALK遺伝子は同一染色体上に互いに反対向きに存在するが、 肺がんにおいて両遺伝子を挟む領域が微小な逆位を形成して遺伝子融合が生じる事を解明した。また、 発生工学的手法を用いてEML4-ALKが同遺伝子陽性肺がんの本質的な発症原因である事、従って同遺伝子産物は肺がんの新しい治療標的となる事を証明した。 また肺がん患者に対するALK阻害剤を用いた臨床試験が開始された際は、正確なEML4-ALK分子診断法を開発しその普及活動を行った。 肺がんの原因遺伝子の発見と診断法の開発、さらには治療薬開発の契機となった独創的研究業績。

平成21年度2009

杉山雄一教授 杉山 雄一 (スギヤマ ユウイチ) 東京大学大学院薬学系研究科長・教授
「トランスポーターの関わる薬物体内動態予測法の確立と創薬支援への応用」
 薬物トランスポーター(TP)の機能を分子レベルで解明し、数理モデルを用いて細胞から個体まで連結して解析することにより、 薬物の体内からの消失速度、薬物間相互作用、遺伝子多型により薬物体内動態変動の予測を可能にした。 具体的には肝の薬物排出に関わるTPのMRP2等のクローニングと機能解明、薬物取り込みに関わるTP、OATP1B1の薬物間相互作用、 遺伝子多型の影響等を明らかにし、さらには極性細胞上に複数のTPを同時発現させたダブル発現細胞の樹立成功等、 薬物体内動態予測法の確立と創薬支援への応用に関する比類ない包括的研究業績。
西田栄介教授 西田 栄介 (ニシダ エイスケ) 京都大学大学院生命科学研究科教授
「細胞内シグナル伝達経路の同定、制御機構並びに生理機能に関する研究」
 MAPキナーゼシグナル伝達経路の発見を世界に先駆けて行い、細胞の増殖・ 分化及び発生を制御する細胞内シグナル伝達の中枢の機構の解明をした。また、MAPキナーゼ経路の広範な高次生命現象への関与を見出すとともに、 シグナル伝達の特異性を制御する機構としてのドッキング相互作用並びに時間的空間的制御の分子機構の解明を行った。さらに、シグナル伝達分子の核・ 細胞質輸送の分子機構の解析を行い、核外輸送トランスポーターを同定した。また、線虫の寿命制御におけるRheb(Rasファミリー遺伝子)の関与の発見をするなど、 細胞内シグナル伝達に関する先駆的研究業績。

平成20年度2008

飯野正光教授 飯野 正光 (イイノ マサミツ) 東京大学大学院医学系研究科教授
「カルシウムシグナルの時空間制御機構とその生理的意義の解明」
 カルシウムシグナル機構研究に独創的な研究手法を導入して、カルシウムシグナルの時空間制御メカニズムを明らかにし、 その多機能性の基盤を明確にするとともに、独自の可視化プローブを見出し、イメージング法による細胞機能解析を飛躍的に進展させた。 さらにはカルシウムシグナル機構を特異的に抑制して機能変化を解析する新規手法を開発、 神経回路の維持機構を明らかにする等カルシウムの新たな生理的意義を解明した比類ない研究業績。
山中伸弥教授 山中 伸弥 (ヤマナカ シンヤ) 京都大学物質─細胞統合システム拠点iPS細胞研究センター長
再生医科学研究所教授
「多能性幹細胞の維持と誘導」
 胚性幹(ES)細胞の分化多能性維持にかかわる重要因子を相次いで発見し、それらの因子を組み合わせることにより、 マウスやヒト皮膚由来の線維芽細胞から、ES細胞に類似した多能性幹細胞である人工多能性幹(iPS)細胞を誘導することに成功した。 iPS細胞はヒト胚を利用することなく、患者自身の細胞から多能性幹細胞の樹立を可能とする画期的な技術であり、 新たな研究領域を切り開いた独創的研究業績。

平成19年度2007

門脇孝教授 門脇 孝 (カドワキ タカシ) 東京大学大学院医学系研究科教授
「2型糖尿病の分子機構に関する研究」
 インスリン受容体遺伝子異常による糖尿病を世界に先駆け同定するとともに、インスリン抵抗性・ 糖尿病発症におけるインスリン受容体基質(IRS)およびPPARγの役割を明らかにした。また、 アディポネクチンのインスリン感受性亢進作用の発見とその分子機構の解明、アディポネクチンの中枢作用の発見、 さらには今まで未知であったアディポネクチン受容体(AdipoR1、AdipoR2)の同定を行い、 2型糖尿病の分子機構に関する極めてオリジナリティの高い比類ない研究業績。
坂口志文先生 坂口 志文 (サカグチ シモン) 京都大学再生医科学研究所所長
「制御性T細胞による免疫応答制御の研究」
 免疫応答を制御する内在性制御性T細胞を発見し、この細胞の特異的分子としてCD25、Foxp3を同定するとともに、 制御性T細胞の異常が、様々な免疫疾患の発症に繋がる可能性を最初に実験的に証明した。さらには自己免疫病、アレルギー、 炎症性腸疾患を伴うヒトの遺伝的免疫疾患IPEX症候群が内在性制御性T細胞の発生・機能を司る遺伝子異常によることを明らかにし、自己免疫病、 アレルギーのみならず感染症、癌の治療・予防への展開が期待される画期的研究業績。

平成18年度2006

審良静男教授 審良 静男 (アキラ シズオ) 大阪大学微生物病研究所教授
「自然免疫による病原体認識機構の解明」
 Toll-like receptor(TLR)の欠損マウスを世界に先駆けて作製し、 各種TLRの認識に対する病原体成分を明らかにするとともにTLRの活性化が自然免疫から獲得免疫への橋渡しに重要な役割を果たすことを証明した。 また、TLRシグナル伝達経路の研究においてはアダプターMyD88依存性と非依存性の経路を発見し、それぞれ炎症・ 免疫反応の誘導および抗ウイルス反応と関わりを持つことを見出すとともに、TLR以外の細胞質内病原体認識受容体の機能とシグナル経路をも明らかにした。 従来非特異的免疫とも呼ばれて蔑ろにされていた自然免疫の重要性の発見に関する画期的研究業績。
寒川賢治先生 寒川 賢治 (カンガワ ケンジ) 国立循環器病センター研究所副所長
「独自の探索法による新規生理活性ペプチドの発見と
その基盤的研究:グレリンを中心として」
 独自の探索法により、生体内より3種類のナトリウム利尿ペプチド(ANP、BNP、CNP)およびアドレノメデュリンを発見・ 構造決定し、新たな循環調節機構の存在と、これらペプチドホルモンの循環器疾患における意義の物質的基盤を明らかにした。 また、最近、胃組織から新規ホルモン「グレリン」を発見し、成長ホルモンの分泌、食欲やエネルギー代謝、 循環器系等における新たな調節機序解明への大きな手がかりを提示し、さらにはこれらの生体ペプチドを診断・治療へと展開する幅広い領域での比類ない研究業績。

平成17年度2005

鍋島陽一教授 鍋島 陽一 (ナベシマ ヨウイチ) 京都大学大学院医学研究科教授
「動物個体の発生、成熟、恒常性維持機構の研究」
 「筋収縮蛋白遺伝子の解析によるAlternative Splicing機構の発見から、 筋分化を制御するMyoDファミリーの機能解析と筋肉における転写制御機構の解明、骨髄間質細胞から筋細胞を誘導するシステムの開発」に至る筋肉に関する研究、 「神経幹細胞の不等分裂を制御する分子機構・興奮神経と抑制神経の発生を仕分ける仕組みの発見、神経細胞移動、脳の層構造形成の分子機構の解明」 の神経系の形成に関する研究、並びに「Klotho変異マウスの発見と原因遺伝子の同定、 Klothoに結合する蛋白の同定とその複合体がカルシウム輸送を制御するシステムの解明、PTH分泌制御におけるKlotho蛋白の役割、 Klotho、βKlothoと循環するFGF群の協調作用によって制御される生体恒常性維持機構」のKlothoに関する一連の研究等の独創的基礎研究業績。
水野美邦教授 水野 美邦 (ミズノ ヨシクニ) 順天堂大学医学部教授
「パーキンソン病の発症機序に関する研究」
 黒質の神経毒であるMPTPの酸化物MPP+がミトコンドリア呼吸を障害すること、 パーキンソン病の黒質においてもミトコンドリア電子伝達系複合体ⅠとTCAサイクルのαケトグルタール酸脱水素酵素が低下していること等を発見、 更にはパーキンソン病発症におけるミトコンドリアと酸化的ストレスの接点にあるMnSODの遺伝子多型に着目し、 MnSOD遺伝子に連鎖する家族性パーキンソン病を発見、本症が6番染色体長腕に連鎖することを見出した。また、 家族性劣性遺伝の若年性パーキンソン病の原因遺伝子であるパーキンの発見、更にはパーキンの機能がユビキチンリガーゼであること等を明らかにし、 パーキンソン病研究および神経変性疾患におけるユビキチンプロテアソーム機能研究興隆の原動力となる先駆的研究業績。

平成16年度2004

清水孝雄教授 清水 孝雄 (シミズ タカオ) 東京大学大学院医学系研究科教授
「生理活性脂質の生合成と機能に関する総合的研究」
 脂質メディエーターの生合成と分解に関する多くの酵素の発見と単離を行い、 特にロイコトリエン産生の鍵を握るアラキドン酸5-リポキシゲナーゼを世界で初めて単離した。さらに、種々の脂質メディエーター (PAF:血小板活性化因子、ロイコトリエン、LPA:リゾホスファチジン酸など)受容体のクローニング等に成功するとともに、 酵素や受容体の欠損マウスの解析により、脂質メディエーターの生理機能および気管支喘息、肺線維症、急性呼吸逼迫症候群などの病態、 さらには関節リウマチ、閉経後骨粗鬆症等との関わりをも発見した先駆的研究業績。
田中啓二先生 田中 啓二 (タナカ ケイジ) 東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所副所長
「プロテアソームの発見と病態生理に関する研究」
 プロテアソーム(真核生物のATP依存性プロテアーゼ複合体)を世界で初めて発見し、その構造・機能解析から、 プロテアソームが細胞の生存戦略に必須であることを解明するとともに蛋白質の品質管理に関係する二つの新しいユビキチン (蛋白質のマーカー分子)連結酵素CHIPとSCF(Fbs)を見出した。さらには、プロテアソームが抗原プロセッシング酵素として免疫応答に重要な役割を果たしていること、 ユビキチンとプロテアソームによる蛋白質分解系の破綻がパーキンソン病の発症の原因であること等を明らかにし、免疫異常、 神経・精神疾患の発症機構解明に至る幅広い領域での比類のない研究業績。

平成15年度2003

谷口克教授 谷口 克 (タニグチ マサル) 千葉大学大学院医学研究院教授
理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター長
「NKT細胞の研究」
 NKT細胞だけに発現する抗原受容体Vα14受容体遺伝子を単離し、それを指標に新規リンパ球の存在を明らかにするとともに、 世界で初めてNKT細胞欠損マウスおよびNKT細胞のみのマウスを創出した。さらにはVα14受容体のリガンドが α-ガラクトシルセラミド糖脂質であることを見出し、これまでとは異なる免疫システムを構成し、 機能的には自然免疫と獲得免疫の両方に対して免疫制御を担うNKT細胞の存在とその機能の発見に関する先駆的研究業績。
長野哲雄教授 長野 哲雄 (ナガノ テツオ) 東京大学大学院薬学系研究科教授
「生体可視化プローブの理論的開発と生体への応用研究」
 物理光化学に基づく蛍光発光原理の解明、その原理に基づく有機合成化学による生体機能分子の創製および薬理学・ 生物学による機能分子の評価等を行ない、今までに10種類の生体可視化プローブを開発、このうち活性酸素、一酸化窒素、 亜鉛イオン等のバイオイメージングについてはプローブの実用・市販の流を成し遂げ、 蛍光発光原理解明の基礎研究を生命科学に有用な生体可視化プローブ開発という応用研究にまで発展させた独創的研究業績。

平成14年度2002

月田承一郎教授 月田 承一郎 (ツキタ ショウイチロウ) 京都大学大学院医学研究科教授
「細胞間接着装置の分子構築に関する研究」
 細胞間接着装置の分子構築を解析する有用な方法を確立するとともに、 接着分子カドヘリン結合蛋白質のαカテニンの精製とそのcDNAの単離、ラディキシンと呼ばれるアクチン結合蛋白質の発見、 上皮細胞や内皮細胞に必須である細胞間接着装置タイトジャンクション(TJ)の裏打ち蛋白質としてのZO-1のcDNAの単離等、 細胞間接着研究に新展開をもたらした。更に、TJに局在する膜蛋白質オクルディンとクローディンを世界で初めて発見するとともに、 それらのノックアウトマウス作製にも成功し、「バリアーの分子生物学」とでも言うべき新しい分野を開拓した国際的に評価の高い独創的かつ深奥な研究。

平成13年度2001

成宮周教授 成宮 周 (ナルミヤ シュウ) 京都大学大学院医学研究科教授
「プロスタノイド受容体と低分子量G蛋白質Rhoの生理機能と
病態的意義に関する研究」
 生体のホメオスタシスに関わる「プロスタノイドの全8種の受容体」を世界で初めて単離して全てについてノックアウトマウスの作製を行い、 さらには細胞運動に関わる「低分子量G蛋白質Rhoとそのエフェクター分子」を多数同定してこれら分子の細胞での機能を明らかにするとともに、 前者では「炎症、痛み、発熱、血栓形成、アレルギー、ストレス」、 後者では「高血圧、癌浸潤」等の個体の生理・病態生理での各々の分子の働きを解明した先駆的かつ包括的研究業績。
柳田充弘教授 柳田 充弘 (ヤナギダ ミツヒロ) 京都大学大学院生命科学研究科長・教授
「生命継承の基礎としての染色体分配・伝達制御機構に関する一連の研究」
 細胞の染色体分配・伝達制御機構に関し、分裂酵母をモデル系とする独自の変異体を用いる研究手法により、 Cut1/セパリン-Cut2/セキュリン複合体、コンデンシン、タンパク質脱リン酸化酵素、 キネトコアタンパク質Mis6をはじめとして新規の染色体分配必須因子を多数発見し、細胞周期M期後期に起こる姉妹染色分体の分離・ 分配を引き起こす上での複雑な細胞周期依存性プロセスを分子レベルで解明しその基盤を確立した先駆的画期的研究。

平成12年度2000

浅島誠教授 浅島 誠 (アサシマ マコト) 東京大学大学院総合文化研究科教授
「脊椎動物の臓器形成と形づくりの基礎的研究」
 脊椎動物の未分化細胞を用いて、世界で初めて試験管内で「動物形づくり」 の最初の分子シグナルとしての中胚葉誘導物質がアクチビンであることを同定し、種々濃度差のアクチビンを用いることにより様々の構造と機能をもつ筋肉、 脊索、心臓、原腎管、血球、肝臓、小腸、脳、目等の作製に成功、さらには、それら臓器の形成に特異的な遺伝子、分子を見出すとともに、 試験管で作製した原腎管を胚へ移植することによりそれらが生体内でも機能することを証明、また内分泌器官としての膵臓をも作製し、 今後の再生医療に関わる「臓器形成とその移植」の重要な先駆的基礎研究。
田中紘一教授 田中 紘一 (タナカ コウイチ) 京都大学大学院医学研究科移植免疫医学講座教授
「生体肝移植の確立と展開に関する業績」
 約600症例もの「生体肝移植」を行い、末期肝不全患者の多くを救済する等優れた臨床成績を上げるとともに、 移植肝生着の観点からのドナー安全性の確立、レシピエントの代謝障害克服のための自己肝温存肝移植、 肝右葉グラフト等の手法開発による成人患者に対する移植適応の拡大、HBC抗体陽性ドナーからレシピエントヘの伝達予防法の開発、 さらには免疫抑制療法に関する免疫抑制剤至適投与法の開発、移植後の免疫抑制剤の減量、離脱を図る「免疫寛容導入」の可能性を明らかにする等の 「生体肝移植」に関する先駆的な臨床的・基礎的研究業績。

平成11年度1999

宮下保司教授 宮下 保司 (ミヤシタ ヤスシ) 東京大学大学院医学系研究科・医学部教授
「大脳認知記憶メカニズムの解明」
 大脳側頭葉における記憶細胞の発見を端緒に、現代神経科学の最も重要な課題であった 「記憶の貯蔵、形成、およびそれを検索・想起する過程」という認知記憶のメカニズムの全貌を世界に先駆けて明らかにし、 システム神経科学における独創的な研究領域を開拓するとともに、記憶障害を伴う脳精神疾患の病態解明と新たな治療法への道を開いた先駆的研究。

平成9年度1997

長田重一教授 長田 重一 (ナガタ シゲカズ) 大阪大学医学部教授
大阪バイオサイエンス研究所研究部長
「アポトーシス(細胞死)の分子機構とその生理作用」
 アポトーシス(細胞死)の誘導分子であるFasリガンドとその受容体(Fas)の同定と、細胞死の分子機構の解明、 ならびにリンパ節肥大など、Fas、Fasリガンドの遺伝子異常に伴う疾患の発症機序等を明らかにするとともにその治療法開発の道を切り開いた成果など、 基礎生物学および医学分野における新たな研究領域を開拓した一連の先駆的研究業績。
御子柴克彦教授 御子柴 克彦 (ミコシバ カツヒコ) 東京大学医科学研究所化学研究部教授
「哺乳類中枢神経系の発生と分化の分子生物学的研究」
 小脳失調突然変異マウス等を用いた脳神経系の発生、 分化ならびにその異常機構の分子レベルでの解析研究から細胞内膜のカルシウムチャネルとしてのイノシトール-3リン酸受容体の概念の確立、 さらには、脳内の神経細胞の位置を決定する機能分子の決定、神経誘導因子の発見等の独創的な研究成果をあげ、 神経科学分野に新たな研究領域を開拓した実績。

平成8年度1996

矢﨑義雄教授 矢﨑 義雄 (ヤザキ ヨシオ) 東京大学医学部長・第三内科教授
「心血管系の発生・分化と負荷に対する適応の分子機序に関する研究」
 心血管系の発生分化、負荷に対する適応現象である肥大形成と形質変換、 および機械物理的剌激に対する特異的な細胞応答を、独創的な方法論を加えて分子・遺伝子レベルから解明し、 それらの臨床的活用を進展させた業績。

平成7年度1995

竹市雅俊教授 竹市 雅俊 (タケイチ マサトシ) 京都大学大学院理学研究科教授
「細胞接着分子カドヘリンの発見とその機能の研究」
 動物細胞が互いに接着し多細胞体を形成するために必須の分子群 「カドヘリン」の発見と選択的細胞接着の分子機構の解明を通して多細胞体形成の基本原理を明らかにし、 さらにはこの分子群が癌細胞の浸潤転移、神経系形成などの多様な生物現象にかかわっていることを明らかにし応用研究への道を開いた先駆的研究業績。

平成6年度1994

廣川信隆教授 廣川 信隆 (ヒロカワ ノブタカ) 東京大学医学部解剖学第一講座教授
「細胞の形態形成と細胞内物質輸送機構の解明」
 急速凍結電顕法のパイオニアとして細胞骨格間および膜との間に細胞骨格関連蛋白からなる新しい一群の構造を発見し、 その機能の解析と、さらに微小管結合分子モーター群の発見を通して、神経細胞の形作りと細胞内物質輸送の機構を解明した国際的業績。

平成5年度1993

谷口維紹教授 谷口 維紹 (タニグチ タダツグ) 大阪大学細胞生体工学センター教授
「サイトカインの構造と機能に関する先駆的業績」
 インターフェロン(IFN)-βをはじめインターロイキンー2の構造をも世界に先駆けて解明し、 さらにIFN系と細胞の増殖を制御する転写調節因子の発見とその全構造を解明した、 サイトカインの構造と機能に関する分子レベルでの先駆的業績。
本庶佑教授 本庶 佑 (ホンジョ タスク) 京都大学医学部医化学教室教授・遺伝子実験施設長
「リンパ球の分化制御に関する一連の研究」
 抗体H鎖遺伝子の構造、同遺伝子のクラススイッチ再構成機構、ならびにその制御にかかわるリンホカインの構造と機能、 個体レベルでのリンパ球の分化制御機構の解明からなる、リンパ球の分化制御に関する一連の研究業績。

平成4年度1992

市原明教授 市原 明 (イチハラ アキラ) 徳島大学酵素科学研究センター長・教授
「初代培養肝臓細胞を用いた肝臓機能と肝臓再生機構の解明」
 初代培養肝細胞を用いて複雑な肝機能を生化学的に解明する道を拓き、増殖因子HGFの発見とその肝再生機構への関与、 および酵素複合体プロテアソームの構造決定とその細胞分化、癌化への関連を明らかにした研究業績。
多田啓也教授 多田 啓也 (タダ ケイヤ) 東北大学医学部教授
「先天代謝異常症の病因・病態の解明ならびに診断法の開発に関する研究」
 高グリシン血症の病因・病態の解明、細胞小器官膜輸送の障害という新しい遺伝疾患カテゴリーの発見を始めとする、 先天性代謝異常症の病態解明、新しい診断法の開発を通じて、臨床・基礎医学の進展に貢献した研究業績。
永津俊治教授 永津 俊治 (ナガツ トシハル) 藤田保健衛生大学総合医科学研究所教授
「カテコールアミンの分子遺伝学的研究」
 カテコールアミン合成律速酵素、チロシンモノオキシゲナーゼの発見に続き、その酵素の分子遺伝学的解析、 トランスジェニックマウスの神経伝達物質変換等により、カテコールアミンの生理と病態を明らかにした研究業績。

平成3年度1991

高久史麿先生 高久 史麿 (タカク フミマロ) 国立病院医療センター院長
「造血細胞の分化と腫瘍化に関する基礎的・臨床的研究」
 造血細胞の分化における造血因子の関与、 および造血細胞の腫瘍化に際しての発癌遺伝子の活性化の機序を明らかにした本分野での分子生物学的パイオニア研究、 ならびにこれらの基礎的研究成果の臨床応用の推進に関する業績。
中西重忠教授 中西 重忠 (ナカニシ シゲタダ) 京都大学医学部附属免疫研究施設第二部門教授
「G蛋白共役受容体の構造、機能発現、受容機構に関する分子生物学的研究」
 中西教授は、遺伝子工学と電気生理学を組み合せた独創的な膜受容体の解析方法を確立し、世界に先駆けて、 タキキニン受容体をクローン化し、神経ペプチド受容体の実体を初めて明らかにし、またそれにひきつづき、記憶、学習、 神経細胞死に重要な役割を果たすグルタミン酸受容体の構造と機能を明らかにした。 さらにこれら一群の受容体の機能発現と調節機構に関する多くの新事実を明らかにし、G蛋白共役受容体とその受容機構の理解に大きく貢献した。

平成2年度1990

垂井清一郎教授 垂井 清一郎 (タルイ セイイチロウ) 大阪大学医学部教授
「筋肉の酵素欠損症の発見より異常遺伝子の同定に至る一連の研究」
 垂井教授は、現在では広くTarui Diseaseと呼ばれている筋ホスホフルクトキナーゼ (PFK)欠損症を世界に先がけて発見したが、それに止まらず、ヒト筋PFKの全構造、そのゲノムDNAの構造を明らかにし、 さらに筋PFK欠損症患者の筋PFK遺伝子の変異の実体を解明した。
 この新しい疾患単位の発見からその本態の解明までの一貫した分析は代謝疾患の研究の規範となるものであり、 またその診断、診療の進歩に大きく貢献した。

平成元年度1989

大野雅二教授 大野 雅二 (オオノ マサジ) 東京大学薬学部教授
「生物活性天然物の分子設計とその活性機構への有機合成的展開:
天然ブレオマイシンの制癌機構に基づく人工ブレオマイシンの合成研究」
 大野教授は、独特の手法で生物活性天然物の全合成を完成するとともに、 それを基礎として新機能性分子の設計を追究してきた。
 特に制癌性抗生物質ブレオマイシンの制癌機構に、 有機合成的にアプローチする試みを通じ、1)Fe(II)イオンと錯体を形成させ、分子状酸素を活性化させる世界最初の合成ペプチドを作り、 2)天然ブレオマイシン以上に酸素を活性化することに成功し、3)遂にDNA切断様式を根本的に変化させるという画期的成果を挙げた。
 これらは今後の制癌剤設計に大きなインパクトを与えるとともに、今後の天然物化学研究の指針を与えるものである。

昭和63年度1988

大村智先生 大村 智 (オオムラ サトシ) 北里研究所理事・副所長
「有用な微生物由来生物活性物質探索系の理論的構築並びに
発見された種々の新規抗生物質に関する研究」
 大村博士は一貫して微生物由来各種生物活性物質に関する独創的な基礎研究を展開し、 これらの研究を基盤に構築した探索系を用いて80種余りの新規物質を発見した。
 それらの中でナナオマイシン、エバーメクチン、 ロキタマイシン、スタウロスポリン、セルレニン及びトリアクシンなどの抗生物質や酵素阻害剤は、 医薬あるいは生化学の領域における研究用試薬などとして広く使用されている。このような大村博士の業績は、 国の内外で高い評価を受けるとともに、今後の研究の一層の進展に大きな期待が寄せられている。

昭和62年度1987

宇井理生教授 宇井 理生 (ウイ ミチオ) 東京大学薬学部教授
「細胞内情報伝達因子としての新しいGTP結合蛋白質の発見」
 神経伝達物質やホルモンは細胞に適切な情報を伝える役割を果たしているが、宇井教授は、 この情報伝達に不可欠な介在因子GTP結合蛋白質(G蛋白質)を発見、同定、精製し、さらにG蛋白質を介する情報伝達の仕組みを明らかにした。
 この成果をもとに、G蛋白質の関与する情報伝達系が次々と証明され、 これが生命活動の基本ともいうべき細胞の情報伝達機構の研究の進展に寄与している。

昭和61年度1986

入澤宏教授 入澤 宏 (イリサワ ヒロシ) 岡崎国立共同研究機構生理学研究所教授
「心歩調取り機転の生理学的解明に関する研究」
 入澤教授は世界で初めて心洞房結節の膜電位固定に成功、この方法を用いて、心ペースメーカーのイオン機作を明らかにした。 またペースメーカーの律動変化には、自律神経支配以外に細胞自体の代謝要因が関与することを明らかにした。
 前者は心臓生理学の重要な一領域を現代的に確立したものであり、後者は心臓の正常ないし病的状態の生理学的解明に新境地を開いたものである。
 これらの成果をふまえ、今後も心臓生理の新生面をさらに開拓発展させるものと期待されている。

昭和60年度1985

杉田秀夫先生 杉田 秀夫 (スギタ ヒデオ) 国立武蔵療養所神経センター疾病研究第一部部長
「進行性筋ジストロフィーの病態に関する一連の研究」
 進行性筋ジストロフィーとくにデュシャンヌ型(DMD)の病態に関する一連の研究、すなわち、 患者血清クレアチンキナーゼ異常高値の診断的意義の確立、その女性保因者発見への応用、 さらにその原因の研究から本症における筋蛋白分解と蛋白分解酵素の関与ひいてはDMDにおける筋蛋白分解機構の特徴を明らかにした研究。 これらの成果をふまえ、今後、本症治療法の開発の進展が期待される。
家森幸男教授 家森 幸男 (ヤモリ ユキオ) 島根医科大学病理学教室教授
「循環器疾患の成因、予知、予防に関する基礎的疫学的研究」
 高血圧自然発症ラット(SHR)により高血圧の成因を分析、さらに脳卒中易発症SHR(SHRSP)、動脈硬化モデルラット (ALR)、心筋梗塞モデル(MIR)の開発に成功し、これらを用いて脳血栓、脳動脈硬化、心筋梗塞の実験的研究により、その成因、発症機序の解明、 その遺伝素因の早期検出法の発見、栄養因子を含めた環境因子の改善によるその予防が可能なことの実験的証明を行う一方、 これらの成果がヒトにも応用可能であることを疫学的、臨床実験的に証明した。